岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/11/30
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今日は岡田斗司夫のゼミ室通信をお届けします。
DMMオンラインサロンの岡田斗司夫ゼミ室では月に1回オフ会があり、ここで質問や相談を受け付けています。
今回は11月大阪オフ会より、九州に旅行に行っていた岡田斗司夫の“おみやげ話”をお届けします。
85年間の歴史しかない軍艦島
九州へ行ったとき、軍艦島に行ったんだよ。
軍艦島、すごいね。
「いい加減な生き方をしてる俺は・・・」って思って、何かもう、打ちのめされて帰ってきたよ(笑)。
結局、軍艦島って、江戸時代にはもう石炭が見つかって開発が始まったんだけど。
でも、そんなに良質な石炭が必要になったのって、明治時代の八幡製鉄所が出来てからなんだ。
なので、1890年ぐらいから歴史がスタートした。
それで1974年だから、85年間で歴史が終わってる。
あそこって、85年しか、やってなかったんだ。
それで、その中でも“軍艦島”として成立したのって、戦後なんだよね。
つまり、1945年から75年だから、実は35年だけだと。
それで、やっぱりこの30年がすごいの。
まず、当時のテレビとかの普及率が10パーセントも無い時に、軍艦島のテレビの普及率が100パーセントだったんだ。
これが何故かと言うと、島民はほとんど炭鉱員なんだけど、全員が三菱の社員扱いだった。
なので、住むところも、光熱費も、全部タダ。
水道代も全部タダ。
それで給料だけ、やたらと高い。
当時の大学の初任給の5倍ぐらいあったから、今で言うと7、80万円を毎月もらっていて、使いようが無い。
それで、家がメチャクチャ狭い。
なので、とりあえず島民の奥さんの写真とかフィルムを見たら、みんな凄くいい格好をしている。
ダンナは真っ黒になって働いてるんだけども。
家の広さが、もう本当に狭い。
それで全員、同じサイズ。
たまたま乗ったタクシーの運転手のおばあちゃんが軍艦島に住んでいて、運転手本人も軍艦島で生まれたそうなんだ。
島民の楽しみは、「引っ越し」!
だけど、生まれてすぐに軍艦島を出たから覚えてないらしいけど、そのおばあちゃんは4回も引越しをしたって言ってるんだ。
それで「なんで?」って聞いたら、引越ししかする事が無いんだって。
ちょっと窓から見える風景を変えるために、お金を払って引越しをするというのが、島民の楽しみ。
全部、同じ大きさの部屋なのに。
それが、島民の楽しみなんで。
でも、タンスとかは小さいから、そんなに物を持っていかない。
だけど、みんな和服だけは、すごくいい物を持っている。
帯とかも、メチャクチャいい物を持ってるんだ。
炭鉱は山ほど石炭を掘らないといけないから、三交代制なんだ。
なので、島内のあらゆる施設が24時間営業。
だから、あそこだけパラダイスみたいな話なんだって(笑)。
日本がまだ貧乏だった時代に、あらゆる電化製品をほぼ全員が持っている。
それで家がメチャクチャ狭くて。
だけど、物だけは山ほどある。
そして引越ししか、やる事がない。
それで奥さんは、みんな専業主婦しかいない。
だって、島内には仕事が無いんだし(笑)。
だから、変な空間だったらしいよ。
小・中・高校まであったけど、それらは全部、給食とかはタダで、プールもあって、冷暖房も効いていた。
とにかく設備がメチャクチャいい。
でも、島の面積は400m×110mしかない。
それがどれぐらいかというと、ちょっと大きめの駅ぐらい。
たぶん大阪駅の半分ぐらい。
そこに最大で5000人も住んでいた。
圧倒的な人口密度。
当時も今も世界最大の人口密度だったんだって。
そのうち、子供が700人。
子供が700人という事は、島民の人口が圧倒的に若い。
さっきも言ったように最盛期が30年しかないから、その島で生まれて死んだ人がいないんだって。
だから、みんな「ものすごく儲かる」と言われて来て、それで、ひと稼ぎしたら辞めるか、もしくは島が閉鎖されたので出た人ばっかり。
なので、とにかく長老とかがいない。
運動会の映像とか、みんな死ぬ気でやってて凄いよ(笑)。
お風呂なんて、どこに行っても三つある。
一つ目のお風呂は、服を着たまま入るお風呂。
炭鉱の汚れを洗いながら落とす第一風呂。
次に服を脱いで入る第二風呂があって、最後にちょっとだけ浴びる第三風呂があるという。
めちゃくちゃインパクトが凄かったよ(笑)。
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