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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「『映像研には手を出すな!』双眼鏡の視差まで描いた、超こだわりの描写」
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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「『映像研には手を出すな!』双眼鏡の視差まで描いた、超こだわりの描写」

2018-07-11 07:00

    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/07/11

    おはよう! 岡田斗司夫です。

    今回は、2018/06/24配信「作者の大童さんと一緒に『映像研には手を出すな!』1巻を徹底分析!」の内容をご紹介します。
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    2018/06/24の内容一覧

    15Pまで:双眼鏡で見た光景の視差を表現

    (10ページ目)

    岡田:ということで、水崎が逃げてくる、と。
     そして、「山奥財閥!」というふうに、ここでも軽く繰り返しのギャグがある。

    大童:まあ、このページについては、せいぜい追手が掛けているサングラスが「マッカーサー」だというくらいで、はい。

    岡田:ここ、もしかして、「GHQか!?」というネタをやりたいがために、マッカーサーのレイバンのサングラスにしたんですか? 

    大童:まあ、そのような(笑)。

    岡田:で、逃げてきた水崎は、浅草の帽子を借りて、逃げると。
     浅草にしてみれば帽子がないというのは不安なことなんですよね? こういう性格の人だから、たぶんこれって「対人防御」の意味もあってかぶってるわけですよね?

    大童:防御ですね。はい。
     ただ、会場が暗いし、みんな別のものに注目しているということで、帽子が取られた瞬間も若干、気づいていないという描写を入れています。

    (11ページ目)

    岡田:で、「悪漢に追われる少女というのはお宝と大冒険のにおいがしますな」ということで、興味を持った浅草。
     ここで彼女の言う「面白くなってきやがった」っていうのは、『ルパン』ですよね。

    大童:まあ、そうですね。「やってみましょう」というところで。

    岡田:これ、連載が進むと、こんなに緩い、わかりやすいパロディはやらないじゃないですか。
     この時は、まだサービスモードだったんですか?

    大童:いや、ええと、これは僕が好きなセリフなんですね。なので、やりたかったというのがあるんです。
     このセリフを書いた時は、実はあんまり気づいてないんですよ。「あれ? これ、何のセリフだったかな? なんかあった気がするな」と思いながら書いたんです。

    岡田:オタクによくあるやつですね(笑)。
     ここでの水崎は、一番後ろの席で見ている2人に話しかけて、帽子を借りて最前列まで階段を降りて逃げて行ったので、結構、みんなが注目しているということですよね。
     で、「なんだか知らんが」「面白くなってきやがった」と言う2人も、たぶん、階段を降りて行かなきゃいけない。

    大童:そうですね。

    岡田:ということで駆け下りて行く。

    (12ページ目)

    岡田:1コマ目は、キャラクターは登場せずにシチュエーションの説明。
     そして、「←図書室」と書かれた張り紙のある柱に隠れる水崎。
     この張り紙、図書室の「室」の字だけが潰れているんですけど、これはなんでですか?

    大童:これはおそらく、「学生が書いたから下手くそだった」んでしょう。
     一番下の矢印を最初に描いて、その上から字を書き始めたので、スペースが足りずに室だけが圧縮されてしまったという。

    岡田:じゃあ、これを書いた学生が下手くそなだけで、マンガ家さんが書いてる途中で「あ、収まんねえや」ってなったわけではないんですね?

    大童:それはないですね。

    岡田:そりゃそうですよね、そんなミスしませんよね。

    大童:あはは、結構すると思います(笑)。

    岡田:で、隠れていたところ、いちご牛乳をヌッと手渡される水崎。
     ここで、お気に入りのものを出してくれるということで、「追いかけてきた人達は敵じゃない」とわかるわけですよね。

    大童:はい、そうですね。

    (13ページ目)

    岡田:その様子を遠くから見つけた浅草は「視認した!」と言う。
     これも「発見した!」じゃなくて「視認した!」なんですね。

    大童:この1コマ目って、実は双眼鏡で見た光景なので、レンズが2つあって、それぞれの「視差」を表現しているんですよ。
     階段の手すりのところのズレとか、若干、描いてあるんですけど。「まあ、そんなところに気づくやつは1人も居ねえだろう」という、はい。

    岡田:ああ、なるほど! この線とこの線の差ですよね?

    大童:そうですね。あとは、縦のラインにも若干、差が出てるっていう、ここと、ここの段差とかが出て、弧を描くようなこういう線がうっすらと。

    岡田:双眼鏡のように2つのレンズで見ると、こういう視差が出るんですか?
     俺、知らなかった、へえ。

    大童:いや、両目で見た時って、脳で、物をこう、1つにまとめるので、「おそらくこうなるだろう」というところで描いてるんですけど。
     よくある、2つの影が並んでいるような双眼鏡の視点描写があるじゃないですか。『007』とかでも双眼鏡を覗き込むシーンでは、そういう影が出てきますよね? それを絶対に書きたくなかったんですよ。
     だから、「円をほぼ1つにまとめて、少しだけ視差が出る」という絵を描いたんです。

    岡田:これ、誰かに伝わりました?

    大童:いや、誰からも、そんな指摘はありませんでした。

    岡田:アハハ(笑)。

    (続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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