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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「ユーチューバーの未来はどうなる?」

2018-12-06 07:00

    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/12/06

    おはよう! 岡田斗司夫です。

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    この記事は、PHP新書から発売された岡田斗司夫の新刊『ユーチューバーが消滅する未来』から、一部抜粋してお届けします。

    機械翻訳が普及したら、日本のユーチューバーはどうなる?

    10年くらいのスパンで考えるなら、機械翻訳によって言語の壁は次第に溶けてなくなっていくはずです。

    (中略)

     さて、言語の壁が溶けていくと、ユーチューバーたちはどうなるか?
     日本のユーチューバーは、必然的に海外のユーチューバーとの競争に放り込まれることになります。
     アメリカ人ユーチューバーのわかりにくいテキサス訛なまりの英語が、一瞬のうちに日本語に翻訳される……というより、そのユーチューバー自身がキャラクターに応じた流暢な日本語を話しているように見える。それが10年後の世界です。
     そんな世界で、日本人のユーチューバーにどの程度のアドバンテージがあるでしょうか?
     地域限定のコンビニスイーツのレビューとか、そういう内容だったら、まだ世界でもアドバンテージがあるかもしれません。
     でも、10年後の世界では、「日本だけ」の、商品やコンテンツはどんどん少なくなっていくと思うんです。せいぜい1億人をターゲットにした商品、コンテンツなんて、中途半端すぎるんです。
    この先は、今よりもっと「グローバル」と「ローカル」に二極化していくでしょう。
     ある地方や町内でしか流通していない、超ローカルな「ご当地商品」は残りますが、日本全国なんて範囲にはあまり意味がない。まともな商売人なら「日本だけで売るより、世界中で売って儲けよう」と考えるでしょう。その一方、世界ではまったく売れなくても、大阪の堺市では大人気だからこのあたり限定で販売しようという商品もあるはず。コンテンツにも同じことが言えます。「ハリー・ポッター」みたいに全世界でヒットする映画はどんどん出てくるでしょうし、ある地方でバカウケする低予算映画もある。だけど、ざっくりと日本人を対象にした映画はまったくウケなくなる。
     ユーチューブで広告収入を得る仕組みが10年後にも残っているにせよ、そこはグローバルでの熾烈な競争が展開される競技場です。
     日本人のユーチューバーでも面白いアイデアをどんどん思い付いて動画として配信する人はいるでしょうけど、そのアイデアが面白ければ面白いほど、すぐにパクられます。
     「面白いアイデアがあったらパクって大儲けしてやろう!」と虎視眈々と機会をうかがっている何億、何十億人というインド人や中国人、そのほかの国のユーチューバーがいるわけです。若者だけでなく、幼児でもおじいさん、おばあさんでも世界に向けて配信できる。すべてがフラットに比較されるグローバリズムの中、日本人なんて、76億はいる世界人口のおよそ60分の1にすぎないんです。
     まあ、世界のユーチューバーとの競争が始まる前、おそらく今後2、3年くらいで、日本人ユーチューバーの構成も大きく変わっているんでしょうけど。
     僕らは「ユーチューブというのは誰でも動画を投稿できるサービスだから、無名な人間でも実力次第で上がってこられる」と、無邪気に信じていました。だけど、そうやって人気者になったヤツらが次から次へと不祥事を起こしている。「無名からのし上がってきたユーチューバー」に対する好感度は、著しく下がっています。
     それで何が起こるかと言えば、すでにある程度知名度を得ている人たちがユーチューブに流れてくるんです。
     アイドルにせよ芸人にせよ、テレビへのこだわりは少なくなっており、アマゾンやネットフリックス、アメーバTVなどネットへの露出を増やし始めています。日本人ユーチューバーの市場も、これから2、3年でアイドルや芸人に荒らされることになるでしょう。
     そして先述したように、10年以内には、日本人ユーチューバーの市場がグローバルユーチューバー、例えばハリウッド俳優やセレブに荒らされることになります。
     世界的な知名度のあるセレブに加えて、「面白いものをパクろう」と待ち構えている数億人、数十億人。さらに、サバンナやジャングルに暮らす部族の人たちも、秘境の映像を毎日配信してくるわけです。そんなレッドオーシャンで、日本人ユーチューバーが存在感を示すのは、ちょっと難しいんじゃないでしょうか。
     今後ユーチューバーで食っていくことが難しくなっていくと、僕が考える理由がもう1つあります。


    この記事は、PHP新書から発売された岡田斗司夫の新刊『ユーチューバーが消滅する未来』からお届けしました。

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