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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「【ナウシカ解説】絵だけで世界観をわからせるアバンタイトル」
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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「【ナウシカ解説】絵だけで世界観をわからせるアバンタイトル」

2019-01-14 07:00

    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/01/14

    おはよう! 岡田斗司夫です。

    今回は、2019/01/06配信「【風の谷のナウシカ】巨神兵の強さの秘密、風使いとは何かなど、風の谷の歴史や地理をふまえて大考察!」の内容をご紹介します。
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    2019/01/06の内容一覧


    絵だけで世界観をわからせるアバンタイトル

     これが『風の谷のナウシカ』の一番最初、ファーストカットなんですね。
    (パネルを見せる)
     砂塵の中を歩くユパと「トリウマ」と呼ばれる馬みたいに乗れる生物です。
     下にある次のカットを見てもらったらわかると思うんですけど、ユパの周りにすごく小さいものが降っているのがわかりますか?
     これ、一見すると雪のように見えるんですけど、すごくアップにしたらわかる通り、星型に作画されてるんですね。スマホで見ている人は、わかりにくい思うんですけど、星型なんです。
     これは、雪ではなくて「菌類の胞子」なんですよ。

     この菌類の胞子がちゃんと作画されてるのって、実はこのオープニング前のアバンタイトルだけなんですね。
     このアバンタイトルの時だけ、胞子がちゃんと「※」状に作画されています。それ以外のシーンになると、まあ、だいたい雪みたいに描かれているんですね。
     これは何かというと「この先はいちいち描きませんけども、この映画の中で雪みたいに見えているものがあったら、それは全部、菌類の胞子なんですよ。そこんところ、ちょっとわかってくださいね」ということを伝えるために、アバンタイトルだけは全カット、できるだけ細かく描いてるんですね。
     まあ「そういう目で見てくださいね」という、作り手側からの見立てのお願いであります。

     ユパが村の中を歩いて行くと、僕、ここのカットが本当にうまいなって思うんですけど、ユパの頭の上にある巨大な菌類の塊がボンと割れて、中からブシューっと胞子が吹き出します。
    (パネルを見せる)
     その他にも、歩いていると、道の両側の膨らみの中から、ものすごい勢いで胞子が出てくるという描写があります。

     実は、ここら辺、セリフがまったくないんです。
     何もない砂漠みたいなところを男が歩いて行くと、向こうの方に村が見える。しかし、その村は一面、キノコみたいなカビに覆われていて、そこに近づいていくと、さっきまでチラチラ見えていた程度のカビの胞子が村中に溢れている。大きな菌がそこら中に胞子を撒き散らしている、と。
     これが「いつもの風景」なんだと、絵だけでわかるんです。
     ユパの頭上にある菌の塊も、膨らみきって、爆発するようにボンと割れて、胞子が出てくるんです。皆さんも、ついこの間、金曜ロードショーで見たでしょうから覚えていると思いますけど。
     この圧倒的な「絵で伝える力」ですね。見ただけで「この世界では、これがいつものことなんだ」といことがわかるんですね。

     ユパは、この村の中を言葉もなくずーっと探索して、ある家に入ります。
     「ある家」と言っても、家の扉の前に大きい飾り付けがあるので「ああ、ちょっと偉い人の家なんだな」ということがわかるんですね。
     その家の中に入ったユパが部屋の中を見回すと、真っ暗な一番奥の部屋で、この部屋の中もすべて菌類に覆われているんですけど、バッとこういうものが見えるんですね。
    (パネルを見せる)
     これも、ちょっと初見ではわかりにくいんですけど、ドクロのようなミイラ化した人の死体。
     よくよく見ると頭に冠を被ってる。つまり、これが「王族」だっていうのがわかるんですね。
     一番立派な建物を目指して、ドアを蹴破って中に入って、その部屋の奥で冠を被った男が死んでいる、と。もうこれで「おそらく、この村の王様か族長のような人までも死んでしまったんだ」というのがわかるんです。

     さらに、よく見ると、そのミイラの下に一回り小さいミイラ化した白骨があるのがわかります。
     これも、お揃いの小ぶりの冠を被っています。ということは、これは族長の奥さんか子供だというのがわかるんですね。
     つまり、同じ冠を被った小柄な白骨を抱きしめたまま死んでいる。これは、蟲が侵入するのが怖くて、部屋の中で抱き合ったまま、胞子の毒「瘴気」というもので窒息したんだろうということがわかります。
     これは奥さんかもわからないし、子供かもわからないですね。「そういう王族同士が自分達が作った一番立派な家の部屋の隅の隅で、抱き合ったまま死んだ」というのが一瞬でわかる絵面になっているんですよ。
     これを見た時のユパも、もう本当に無言のままなんですけど。

     ユパが初めて感情を表すのは、この光景を見て漏らすセリフなんですよ。
     もうこれで生き残りが1人もいないと知ったユパは「また1つ村が死んだ」と言うんですね。
     この「「また」村が1つ死んだ」というセリフで、「ああ、これがいつものことなんだ。この世界では、こうやって1つ1つの村が、次々とカビに覆われて滅びて行くんだ」とわかるんですね。

     『ナウシカ』の原作マンガを読んだことがない人にしてみたら、この一番最初の1分くらいで見せる、この世界のイメージって、すごく大きいんですね。
     宮崎駿のアニメって、実はかなりセリフですべてを説明してくれるんですけども、ここは本当に絵だけで見せてるんですよ。
     そして「また村が1つ死んだ」というふうに、おじいさんの声でつぶやくことで、ここで初めて、マスクで顔を隠したこの語り手がおじいさんだということがわかります。
     さらに、「これがどこにでもある風景だ」というのがわかるんです。

    (続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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