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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「完成までに30年かかった、ディズニーの1964年版『メリー・ポピンズ』」
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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「完成までに30年かかった、ディズニーの1964年版『メリー・ポピンズ』」

2019-02-11 07:00

    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/02/11

    おはよう! 岡田斗司夫です。

    今回は、2019/02/03配信「関ジャニ∞の村上君と話した『ユーチューバーが消滅する未来』の補足と、『スターウォーズ』のこれじゃない感」の内容をご紹介します。
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    2019/02/03の内容一覧


    『メリー・ポピンズ リターンズ』、映像はすごいが……

     『メリー・ポピンズ リターンズ』はね、映像はすごいんですよ。本当に、映像はすごいんですけど、内容はピンとこなかったという話なんですけど。

     映画の内容としては、かつて19世紀の終わりにメリー・ポピンズに育てられた姉妹、ジェーンとマイケルの2人の子供が、成長して大人になった、と。
     しかし、彼ら2人は、いつしかメリーの教えを忘れて、子供の心をなくしてしまった。それどころか、彼らが育てている子供も、もうあんまり子供っぽくない子供になっちゃった。
     時は流れて20年後。大恐慌の時代ですね。メリー・ポピンズが再び空から舞い降りてやってきて、理由を説明せず、いきなりマイケルの家に住み込んで「乳母として働く」と宣言。
     大恐慌時代ですから、このマイケルとジェーンの姉弟のお姉さんであるジェーンは、労働者のための社会運動をやっています。弟のマイケルはというと、もともと画家だったんですけども、食うために銀行でバイトをやっている。
     しかし、そんなマイケルの自宅は、銀行から借金の抵当に差し押さえられてしまっていて、金曜日の深夜12時までに返済できないと追い出されてしまう。
     という、まあ、そういう大雑把なお話なんですね。ここまでが、映画が始まって冒頭の5分くらいでパッと説明される。

     僕的には、こういったあらすじは悪くないんですよ。別に悪くはないんだけども、興味が惹かれなかったんですね。
     なぜかというと「これは「作品」ではなくて「商品」だったから」という言い方になっちゃうんですけど。宮崎駿的に言うと、「これ、映画になってないよ」ということになるんですね。

     それがなぜかと言うと。
    (DVDを見せる)
     これが、パッケージがおしゃれ過ぎるんですけども、1964年版の『メリー・ポピンズ』なんですね。
     この1964年版の『メリー・ポピンズ』というのは、もっと狂ってるんですよ。頭がおかしいんですね。

     具体的に言うと「誰が主人公かわからない」んですよ。
     最初は子供たちだけが主人公なのに、途中からメリー・ポピンズが主役になって、最後はなぜかお父さんのバンクスさんという銀行家が主役になってしまう。
     そういう狂いというか、頭のおかしさが、1964版の『メリー・ポピンズ』を「作品」にしているんですね。
     これについては、以前、ウォルト・ディズニーの話をした時のテキストにもした『創造の狂気 ウォルト・ディズニー』という本の中にも書いてあるんですけど。

     1964年版の『メリー・ポピンズ』という映画は、ウォルト・ディズニーが最後に現場に立った作品なんですよ。これを作っている最中に、完成公開を待たずに死んでしまったんですけど。
     もともとは、ウォルト・ディズニーが自分の娘達に「パパ、このお話を映画にして!」と頼まれて作った映画だったんです。

     最初に娘が「パパ、お願い! お願い!」って言ってて、次に、それを読んだ奥さんまでが「あなた、これは映画にすべきよ!」と言うもんだから、「えっ?」と思って約束した。
     この、娘と交わした約束というエピソードが、後に、トム・ハンクス主演で『ウォルト・ディズニーの約束』という映画にもなったんですけども。
     実際は、『メリー・ポピンズ』が映画化するまでに娘と約束してから30年掛かったんですね。
     約束したのが1934年なんですよ。そして、映画が完成したのが1964年だから、本当に丸30年かかっちゃった。

     なぜ、そんなに掛かったのかというと、まずは何よりも原作者であるイギリスのP.L.トラバース婦人というのが気難しくて、大のアメリカ嫌いで、さらに、ウォルト・ディズニー作品が大嫌いという人だったんですよ。
     なので「どうせ安っぽいアニメにするつもりなんでしょ? 楽しい歌と踊りのミュージカルするつもりなんでしょ? そんなの絶対に嫌だ!」と言っていたと。
     この人がいろんなことを言って、揉めに揉めたんです。

     例えば、最初、映画化権を渡す時に「1万ドル」って言ってたんですよ。それを聞いたウォルト・ディズニーは「ちょっと高いけど、まあいいか」って思ったんですけど、一度、契約がこじれにこじれて立ち消えてしまって、10年後くらいに、もう一度、交渉した時には、今度は「75万ドル」って言い出したんですよね。
     もう、いきなり1万ドルが75万ドルになった。その次に聞いたら「100万ドル!」と言い出すくらい、もう、トラバースさんは本気なんですよ。本気で「それくらい貰わないと、私はこの作品を預けない」と言ってるんですね。
     おまけに「脚本に口を出す権利」というのを契約書に書いちゃったから、ありとあらゆるウォルト・ディズニー側の提案やアイデアに対して、バンバン、ボツを出すんですね。

     『メリー・ポピンズ』の音楽を作ったのは、有名なシャープス兄弟という、ウォルト・ディズニー映画の定番みたいな曲をいっぱい作っていた兄弟だったんですけど、彼らは人格者として有名なんですよ。
     そんなシャープス兄弟までが、「あの忌々しいイギリス人のババアが、この映画をダメにするんだ!」と怒るくらい、このトラバース婦人というのは、徹底的にウォルト・ディズニーがやろうとしていることに反対したんですね。

     そういうのを1つ1つ説得して、苦労に苦労を重ねて作った最後の作品が、『メリー・ポピンズ』なわけです。
     「契約の同意だけで20年掛かり、契約書作成に8年、撮影準備に2年掛かった」そうなんですけど。そこまでの時間を掛けて、やっとウォルトは「この素晴らしい本を映画にする」という、娘との約束を守ったんです。
     しかし、映画が出来た1964年には、娘たちはすでに大人になっていて、もう孫まで出来ちゃってたんですよね(笑)。

    (続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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