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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「『攻殻機動隊』解説:第2話、素子と荒巻のやり取りは何を意味している?」
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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「『攻殻機動隊』解説:第2話、素子と荒巻のやり取りは何を意味している?」

2019-05-13 07:00

    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/05/13

    おはよう! 岡田斗司夫です。

    今回は、2019/04/28配信「『攻殻機動隊講座』第2話徹底解説 無料公開は初です!」の内容をご紹介します。
    岡田斗司夫ゼミ・プレミアムでは、毎週火曜は夜8時から「アニメ・マンガ夜話」生放送+講義動画を配信します。毎週日曜は夜8時から「岡田斗司夫ゼミ」を生放送。ゼミ後の放課後雑談は「岡田斗司夫ゼミ・プレミアム」のみの配信になります。またプレミアム会員は、限定放送を含むニコ生ゼミの動画およびテキスト、Webコラムやインタビュー記事、過去のイベント動画などのコンテンツをアーカイブサイトで自由にご覧いただけます。
    サイトにアクセスするためのパスワードは、メール末尾に記載しています(2018年12月1日より新サイトに移行しURLが変更されました。これに伴い、ログイン画面も変更されています。詳しくはメール末尾の注意事項をご覧ください)
    (※ご注意:アーカイブサイトにアクセスするためには、この「岡田斗司夫ゼミ・プレミアム」、「岡田斗司夫の個人教授」、DMMオンラインサロン「岡田斗司夫ゼミ室」のいずれかの会員である必要があります。チャンネルに入会せずに過去のメルマガを単品購入されてもアーカイブサイトはご利用いただけませんのでご注意ください)

    2019/04/28の内容一覧


    『攻殻機動隊講座』第4回:第2話 SUPER SPARTAN

     今日、取り上げるのは、ようやっと『攻殻機動隊』の1ページ目が終わり、その次に、たった6ページの第1話が終わって、今回は第2話ですね。
     「02 SUPER SPARTAN」というタイトルです。2029年4月10日を舞台にしたお話で、執筆されたのは1989年4月。
     1989年というのは、第2回の講義でも言いました通り、日本がバブル経済の真っ最中というのかな? ちょうど転換点あたり。この夏くらいにバブルの崩壊が始まったから、この89年の12月だったかに「終わり」と言われるようになったので、世間では「まだまだ好景気が続く」と思われていたような時代です。そういう時代に描かれました。

     この当時の未来像というのは、今年に再映画化が公開される『ブレードランナー』に代表されるような「サイバーパンク」……まあ、『ブレードランナー』というのは、誤解している人も多いと思うんですけども、実は、サイバーパンクではなく、ただ単に出てくるガジェットが、ちょっと時代掛かってたり、スタイリッシュであったりするだけなんですけど。
     その点、この『攻殻機動隊』というのは、連載された時から、明らかにサイバーパンク、具体的にいうと「人間みたいな生体と機械との融合」というのを描こうとしていた作品ですね。
    (パネルを見せる。第2話表紙)

     なので、この草薙素子という主人公が座っているカバーイラストでも、首の後ろの方にコードが繋がってますね。こういうのをSFマンガの中で意識的に描いた……まあ、「初めて」ではたぶんないんですけども。表紙とかで、わかるように描いた作品だと思います。

     よく、「士郎正宗の作品というのは、女の子が素っ裸に近い格好をしていたり、お色気キャラが多い」というふうに見られることが多いんですけど、必ずしもそうでないということが、この第2話の表紙を見ればわかると思います。

     なぜ、素子がこんなに薄着なのかというと、「ジャックイン」と言われる機械と接合するための面を広くとるために、仕方なくこういうふうに薄着をしているんですね。
     もちろん、絵として編集部の方から「ちゃんと色気を出してくれ」という注文があったかもわかりませんけれども。実は、作者として描きたいのは、この目の強さと、人間が首の後ろからコードが伸びて機械に繋がっているという、この不思議さを出したい、と。
     だから、実はこの絵で注目すべきところは、この草薙素子がこちら側をクッと横目で睨んでいるのと同時に、この「フチコマ」というロボットが、真正面からカメラの方を向いているところ。つまり「2つの目が睨んでる」んですね。これがこの今回のお話全体のテーマであると。

     機械の上に人間が乗っている。しかも、ただ乗っているだけではなくて「繋がっている」。そういう世界を描こうとしているということです。

     では、1ページ目。これ、4月の話ですから、花見をしているシーンから始まります。
    (パネルを見せる。第2話1ページ目)

     花見をしているシーンがあって、「仕事だ、少佐」という吹き出しがフチコマのコックピットから聞こえています。
     この時のフチコマはバイクみたいなもんだと考えてください。なので、誰かのバイクに荒巻の映像が映って「仕事だ、少佐」と言う。
     ところが、ここで少佐はフチコマから降りてお酒を飲んでますよね? なので「この情報は少佐の元にも何らかの形で伝わっている」というわけですね。いわば、「電脳で脳内に転送されている」というふうなことなんですけども。
     まあ、その辺のことはあんまり気にしないで結構です。
     今回、注目すべきキャラクターは、草薙素子という人と、次に「サル」と呼ばれている荒巻部長。そして「トグサ」と呼ばれる新入り。これは後で出てきます。この3人だけを見ていれば、どういうふうなお話かがわかります。

     「仕事だ、少佐。南新居浜4区、水仙と合流、待機しろ」と。
     「水仙」というのは何かというと、たぶん、政府のワゴン車みたいなやつでしょう。これも、後で出てきます。
     「やなこった。へへーん」という少佐に対して、「貴様が要求していた予算は通したぞ。仕事しろ」と言う荒巻。
     ここで少佐は酒を1口飲んで「フチコマ! 確認(インフォメーション)は!?」と言うと、フチコマというロボットが「Y, Yes SIR!」と答えるという流れです。

     ここでわかるのは、まず、この部長という人は、少佐に命令できる立場ではない。なので、「仕事だ」と言われても「やなこった」と。
     それに対して、取り引きとして「お前が要求していた予算は通したぞ」と言われる。この予算とは何なのかは、この回のラストで語られます。

     ネタをどんどん明かすというか、みんなも、もう読んだという前提で話すんですけど。
     結局、少佐がやりたかったのは何かというと。もう、この時代の世の中では、普通の法律とかでは裁けない、電脳犯罪、ネット犯罪とかが大きくなり過ぎていて、普通の警察組織とか軍ではどうにもならない。
     なので、そういうことに関して、積極的に介入して、解決するような独立した団体。それも、警察組織とか公安の端っこにいて、上司の考えとか許可を常に伺わなけれいけないような首輪付きではない、ほんとうの意味で独立した組織というのが必要だ、と。
     「そういう組織を作るにはこれくらいの予算が必要です」ということで、少佐は予算を上申していたんですね。
     「貴様が要求していた予算は通したぞ、仕事しろ」という荒巻のセリフは、つまり「お前が俺の部下になるならないは関係なく、お前が要求している予算は通したんだから、お前はいよいよ国家・政府の一員となって、国家公務員として仕事をしろ!」ということを言ってるわけですね。

    (続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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