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過ぎ去りし、
3月10日と11日。
オレは人生2度目の
沖縄に降り立った。
ツレとの卒業旅行も新婚旅行も無縁の
人生を送ってきたオレにとって、
人生初の沖縄体験となった
昨年10月の沖ナナ生放送。
あれから、約5ヶ月を空けて
お邪魔した沖ナナチャンネルだったわけだけど、
オレの中でヌチュヌチュとうごめき続ける
沖縄への好印象は、今回の滞在によって
さらに増したことは断言できる。
昨日、偶然ネットのニュースで見たのだが、
沖縄の地価は3年連続で上昇しており、
その上昇率は東日本大震災による復興需要がある
福島県、宮城県に次ぐ全国3位らしいのな。
だけど、その理由もうなづけるよ。
都会で生きる人間たちにとって、
沖縄の魅力は一言や二言では言い尽くせない。
無数のしがらみや気苦労が折り重なり、
ふと我にかえるとその表面が
チョコの『紗々』のようになった
都会の人々の暮らしというものは、
とにかく『疑念』であふれているのだ。
むやみに何かを信じたら、
誰かに心からの笑顔を向けたら、
足元をすくわれるような…。
会社の同僚、取引先業者、ママ友、教師、
ましてや、血を分け合った父や母……。
誰が正義だかわからず
誰も信じられなくなり、
いつからか無感動を装って
心をできる限り揺り動かさないことで、
『勝ちはないけど負けもない人生』を送り、
勝っている錯覚に陥っている者が
増えているのだ。
彼らは、勝ってなんかいない。
なぜなら、戦ってさえいないんだから。
しかし、そういった人々の多くは
沖縄という土地で生きる人々と触れ合うと、
都会では決して見せられない
『ノーガードの笑顔』が
自然とあふれてくるような、
不思議な感覚にとらわれることだろう。
いうても、
オレが沖縄を体感したのは
まだ2度目だ。
生放送の仕事を
必死になってこなしていただけで、
観光地や街をのんびり回ったことも、
夜の歓楽街でハメをはずし遊んだことも
ただの1度もない。
たったこれだけで、
沖縄をわかったように言うのは
ちゃんちゃらオカしいし、
きっと沖縄の人には彼らなりの
気苦労やイラだちだって
あるのかもしれない。
だが、オレがこれまで
わずかな時間で出会ってきた
沖縄県民のみなさん。
沖ナナに登場する沖縄芸人のみんな。
ホールの店員さん、店長さん。
ホールで打っているお客さん。
飲食店の店員さん。
ホテルの受付係のひと。
タクシー運転手。
ほんの一握りかもしれないけれど、
彼らの一人残らず全ての人々から、
『沖縄』という土地が独自に育んできた
風土や県民性には、
小さくなってしまった都会者が
理屈を考えているうちに
ザブーンと飲み込んでしまうような、
優しさや強さが息づいているのだなぁと、
強烈に感じさせられたのである。
その勢いやグルーヴには、
沖縄を知らなかった者だからこそ感じた
強烈な説得力があったのだ。
帰りの空港まで
いろいろ楽しく話した、
哀川翔を60kgぐらい太らせたような
タクシー運転手。
彼に、オレが降り際、
「いつか沖縄のみんなの
仲間に入れてもらえるよう、
東京帰ってもがんばりますわ!」
と言うと、最高の笑顔で
「また来てください!」
と、全てを語る短い言葉が返ってきた。
あの言葉を信じて、
オレは今日も沖縄で出会った
素晴らしい仲間たちのことを想い、
脳を使ってアホなことばかりを
グリグリと考えている。