市場で取引される最低単位の株式のことを単元株と呼んでいて、皆さんも日常の売買を単元株を最低単位としてなさっているかと思います。

 大半の上場企業の単元株が100株単位となっている中でいまだに1000株単位となっている銘柄がありますが、東証では取引単位を100株に集約化させようと取り組んでいます。


 例えば基礎工事会社テノックス(1905)の単元株は2月まで1000株でやや流動性に欠けていましたが3月1日から100株に変更されました。

 同社はこのことを1月15日に発表していますが、それが企業価値の向上に寄与することはなく、単に流動性の向上に寄与する目的である点を謳っただけでしたのでその発表後の株価にはほとんどインパクトはありませんでした。
 発表された当時の株価は650円以上でしたが、その後同社株は530円台まで売られてしまい、3月に入ってもほとんど動きがありませんでした。しかしな がら熊本地震の発生で600円割れで低迷していた株価は一気に741円の高値までつけ、その後の前期決算の上方修正なども交え、継続的な人気を集めていま す。
 流動性の高まりによって先週末は785円の高値がつくなど株価形成に好循環が生まれています。


 単元株を変えて流動性が増しただけでは株価の上昇にはつながらないのですが、そこに業績や材料がつくと株高の要因となってきます。テノックスの場合は時 価水準でも今期予想PER5倍、PBR0.5倍、配当利回り3.9%という破格の安さとなっている点が見逃せませんが、そうした割安感をもった銘柄で単元 株の変更を行う銘柄は今後も人気を集める可能性があります。


 テノックスに続く単元株変更銘柄としては本年10月1日に1000株から100株に単元株変更を行う大成温調(1904)があります。業績も比較的堅調でIR強化を図ろうとしている銘柄なので、発表後に株価の上昇が見られるなど人気化の兆しが見えてきました。
 まだ実施までに4か月の期間があり、ここはじっくりといくべきところだろうと見られます。


 平成30年10月1日までに東証はすべての1000株単元銘柄を100株単元にしていこうとしていますので今後もこうした事例が見出せるものと思われま す。このため1000株単元銘柄は近い将来100株単元株に移行させる必要がありますがそれらの候補銘柄で評価の著しく低いバリュー銘柄群も見出すことが できます。
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 そうした現状において1000株単元の低PER、低PBR銘柄でポートフォリオを組んで1、2年寝かしておけば、意外な評価になって資産が大きく増加しているということになるかも知れません。


(炎)


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