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株式相場を下支えする年金基金
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株式相場を下支えする年金基金

2016-07-26 19:10
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     マイナス金利導入で国債利回りがマイナスとなり、いよいよ運用難の時代となってきました。
     私たちの年金基金においても債券利回りの低下からよりハイリターン(インカムゲインベース)な株式投資への運用比重を高める方針となった点が反対にネガティブキャンペーンの対象になったのはある意味驚きではあります。
     リスクのある株式投資に投資して5兆円もの評価損が発生したという話に市場関係者の一人としては疑問を持ってしまいます。

     運用成果を高めるためにはもちろん、よりリターンが見込めるアイテムに資金を分散投資する必要はあります。国債が運用対象になり難くなった今、株式が見 直されても良いのですが、実際には外的要因からの株価値下がりでの評価損が一時的にせよ発生することがありますので、タイミングによっては批判の矢面に立 つこともあるでしょうが、長い目で見ればリターンを高める有力な手法となると期待されます。


     さて、参院選の最中にアベノミクスの成否を与党や野党でテレビ番組内において議論する場面がありました。その中で民進党から年金積立金管理運用独立行政 法人(略称:GPIF)の運用で5兆円の損が出たことを含めて株式で国民の大切な年金資金を運用することへの異論が投じられたことはとても印象的でした。 また、米国では年金資金を株式で運用することはないとの意見が出たのは驚きでした。
     議論がかみ合わないのは野党側に株式投資への理解が足りないこと、リスク分散されるべき年金運用の手法が理解されていないことに尽きますが、このことを改めて知ることができたのは収穫でした。


     現金を保有していては何も生まないことは自明のことですが、そこで少しでも資金をリスク商品に投じて有利な運用にGPIFは努めていく必要があります。 債券に国内株、海外債券に海外株、不動産などへの分散投資を行いながらリスクを抑え、年金受給者に予定されている年金を支給していくことが年金運用機関の 役目だと理解しないとなりませんが、野党の主張は、このプロセスを勝手にアベノミクスで決めてやっているとの批判を含んだものでした。


     年金制度が理想的にうまくいくには、年金資金を10年、20年、30年といった長期スパンでリスク分散しながら運用し、安定した資産増強を結果として残すことが求められます。要は客観情勢を踏まえて上手に運用していくことに尽きます。

     全体のアセットの中にある活発に変動しがちな株式の比重を世界景気の情勢を分析しながら適時組み替えつつリターンを高める運用者の努力を政治の現場にお いてもっと知る必要があります。株価を上げていくことがアベノミクスだという誤解が生じてしまいましたが、政策の結果として株価は上がるものです。

     日経平均が1万5000円を大きく下回らず反転してきた背景には、GPIFの運用資金がこの水準から下になれば株式を買い出すのではないかといった期待感があったのかも知れません。

     2014年に日経平均が1万5000円前後で膠着状態にあった頃、GPIFの株式の運用比率が高まったとのアナウンスメントからその後日経平均は2万円台にまで上昇したとの記憶がありますが、これがアベノミクス相場の最終局面だったとは言えません。

     今後の施策が日本経済を再び活気あふれるものとし、企業業績の不安感を払拭するに至れば安倍首相主導によるアベノミクス相場の最終的な仕上げ局面がこれからやってくるとのシナリオも描けるものと思います。
     野党は株価下落でネガティブな意見を述べますが、彼らは資金運用の手法として、ただ安全面を重視したものだけに的を絞ることになりますが、世界の投資家に再び、アベノミクスの政策主張が通れば日本の株式相場に活気が取り戻るのではないでしょうか。


     なぜリスクある株式投資を年金資金が担うことに意義があるのかと言えば、世界で活躍している企業への投資や国内市場を対象にした有力企業に対して世界の 投資家、運用機関とともに行うことで、配当及びキャピタルゲイン、評価益などでリターンを高める投資が堂々とできることになるからです。

     相場自体は山あり谷ありですが、谷の時こそ年金資金の登場ないし下支えが求められます。株価が下がって損が出たなどというクレームを述べてばかりでは世の中、相変わらず前には進まないことになります。

     超割安と見られる株式が上場企業の大半を占める株式市場に存在する投資対象をめぐって年金資金が関心を寄せているのであれば反転上昇を見せている株式相場は一段と明るさを増すものと期待されます。


    (炎)


    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
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