30年前の株式市場で起きた出来事を前回は述べさせて頂きました。
バブル経済が株式市場にもたらした未曾有の金余り現象から一転して、まったく経験したことのないバブル崩壊相場につながり、今日の株式市場、日本経済につながっている訳です。
相場の視点で言えば、バブル期の相場は過剰流動性相場ともいうべきかと思います。とにかく資金が運用者や投資家の手元に潤沢にあって投資対象も時価総額の大きな銘柄、まさかこの株がこんな値段になるとは思えないというような株価の上昇をもたらしました。
1カイ2ヤリの新日鉄株が4ケタ目前まで値上がりし、公共株の代表であった東電株も9000円を突破。三菱重工が1300円という高値をつけた時代です。いわゆる商いのできる経団連銘柄が活発に取引される時代で不動産株、商社株、電鉄株などいずれも未曾有の株価上昇を見せました。もちろんソニーやパナソニックといった国際優良株も相応に株価上昇を見せましたが相場の主役にはなりませんでした。
とにかく流動性の高さに注目が集まった時代でした。
バブル時代というのはさほど価値のないものに価値以上の価格をつけて投資家間でその株式をたらい回しして酔いしれたのです。
さて、日経平均が1989年末で最高値をつけ、翌年から急落を演じる一方で店頭株(現在のJASDAQ)を含めた中小型株は面白い値動きを続けました。
バブル相場崩壊後に異常とも言える人気を集めたのはベンチャーキャピタルの雄であるJAFCO(当時の社名は日本合同ファイナンス)や商工ファンド、日栄といった商工ローン株、消費者金融株でした。
また、店頭株に代表される中小型株が押しなべて異常な値動きを続けたのもバブル相場崩壊で痛手を受けた投資家のリカバリーのための徒花になったと言えます。
バブル相場崩壊後にIPOをした中小型銘柄(例えば1991年の大成温調やテノックス)はいずれも公開時に異常な高値をつけています。まるで損した投資家に補てんをしたかのような高株価を演出してしまいました。それぞれ上場時の業績は良かったのかも知れませんが、その後の株価は20年以上にわたり低迷を余儀なくされました。
相場な二律背反で流動性の高い銘柄が買われる時は中小型株はさほど関心がなく、大型株が人気離散となれば中小型株に関心が高まるというものです。こうした点は今にも言えることなのかも知れません。
この後のバブル相場は2000年にあった第1次ITバブル相場です。
こうしたバブル相場現象は投資家の世代交代があれば絶えず繰り返すのかも知れません。2004年から2006年に起きた第2次ITバブル相場ではホリエモン事件がメディアで騒がれました。
株式相場では気がつかないうちにバブルは発生します。歴史は繰り返しもしかしたら今もどこかでバブルが形成されているのかも知れません。
(炎)
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