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前回12月5日に初回の執筆をさせて頂いた情熱投資家の相川伸夫です。
初めての執筆ということもあり、みなさまからの反響がどうなるのか心配だったのですが、好評頂けたとのことで大変うれしく思っております。ありがとうございます!
ぜひ、コラムを読み終えて『良いな!』 又は、『良くねえな!』等思われましたら↓のURLからクリック、ご意見などよろしくお願いします。
執筆の励みとなります!!
■山王(3441)の続報!
12月5日(月)にこちらで取り上げさせて頂きましたところ、出来高は前日比15倍。先週の金曜日の終値では453円⇒560円の23%UPと驚くばかりです。
12月8日(木)~12月10日(土)に行われていたエコプロダクツ2016へも取材で行かせて頂きました。
今日のメルマガでは…
【水素透過膜】がもたらす水素社会への可能性
【銀めっきアクリル粒子】がもたらす業績への可能性
以上二つを解説させて頂き、この企業が【億の近道】へ繋がると感じた理由を少しでも共感して頂き、皆様の今後の投資のヒントになれば幸いと思います。
■山王(3441)の技術解説
【水素透過膜】がもたらす水素社会への可能性
Q…水素社会は本当に実現するのか?
A…水素社会は来る!!
その根拠としては『石油の枯渇問題』、『温室効果ガス削減に向けた取り組み』、『日本という資源輸入国がエネルギーの自給自足への可能性』、などなどの国策とそれに向けたロードマップの進捗である。
水素社会に投資をするなら企業価値を変貌させてくれる銘柄に投資をしてみたいと思うのは投資家として当たり前であろう。
自分が取り上げている山王(3441)が産総研(国立研究開発法人)と開発した『水素透過膜』とは様々な気体から水素だけを99.999%以上で取り出す水素精製を担う技術である。
現在の水素ステーションで燃料電池車に供給されている水素の純度は99.97%以上の高純度水素であるが、その高純度の水素を取り出す水素製造方式の主流であるのがPSA方式である。
<PSA方式>
原料ガス⇒脱硫器⇒改質器⇒CO変成器⇒圧力スイング吸着器(何層ものフィルター)⇒高純度水素(99.97%以上)
<山王の水素透過膜>
原料ガス⇒水素分離装置(改質器)⇒高純度水素(99.999%以上)
PSA方式だと現在3億ほどのコストがかかり、そしてプラントサイズ(大きくてスペースを取る)になってしまう、これが水素ステーションの建設費が高くなる原因の一つであり普及を妨げる原因でもある。
山王の技術なら3億掛かっていたコストを数分の一以下に出来るだろうとのこと。
また水素透過膜は他社も作っていますが、既存の技術課題である、
【熱膨張係数の違いによる強度問題⇒多孔質ニッケル支持体でクリア】
【高価なパラジウム使用量の削減⇒従来の50μmから1~2μmと大幅減】
などの課題をクリアしており、残すは提携企業との商品開発の域にいます。
なんといっても水素透過膜の優れた点は
【触媒】【分離】【高純度化】
の三要素を1工程でできること。
よって、汚泥などのバイオマスからメタンを水素透過膜で水素精製する場合↓
メタンに水蒸気をぶつけることで下の化学式になります。
CH4 + H2O → CO + 3 H2
…となり、↑の反応で水素だけが透過膜を抜けてCOだけが残るが、水蒸気はそのままそそがれるので
CO + H2O → CO2 + H2
↑となりさらに水素が抜けて最後に高純度のCO2だけが残る。
このCO2は農業でハウス栽培に向けて販売も可能になるので全く無駄がありません。
また水素透過膜はメタン側(入口)と水素側(出口)の気圧差で水素が出てくる仕組みなので余分な工程を設ける必要もありません。
よって今まで難しかった水素精製の小型化も容易にすることができるのです。
エコプロで各社水素に関わっていた企業さんがいたのでそれとなく聞き込みをしてみましたらやはりご存じでした。
どこと技術提携してこの技術が世に出てくるのかが大変楽しみです。
■【銀めっきアクリル粒子】がもたらす業績への可能性
水素だけで十分だと思われるところ、こちらも実は業績に大変大きな影響をもたらす可能性が大きいので取り上げさせて頂きます。
こちらは電子基盤に使われている導電性粒子、またはACF(異方性導電フィルム)と呼ばれるもののことです。
時価総額数千億越えの企業が大変大きなシェア(世界の半分以上)を寡占化している市場に時価総額100分の一以下の会社が殴り込みをかけに行くというまるで下剋上のようなお話です。
【銀めっき】の話はとても専門的知識が必要かつ難解極まりないので要点だけでも伝えられたらと思います。
金属の電気抵抗を低い順に並べると、
銀⇒銅⇒金⇒⇒⇒ニッケル
という順番になります。
従来の電子部品は『はんだ(溶融250度)』、その次が『銀ペースト(熱風乾燥)』、最近の電子基盤にはACF(低温熱圧着)が使われることが主流になってきました。
銀めっきアクリル粒子の優れた点はそのコスト性と汎用性です
優位点を読み解くポイントは
1)【混錬、印刷、フィルム】を安く高品質に扱いやすく出来る
⇒銀は1キロで70000円、アクリルは1キロ300円
⇒今まで銀ペーストだったものを銀めっきアクリル粒子にすればコスト100分の一以下、金で作られたACFに使えば数千分の一以下
2)アクリルにダイレクトに銀めっきをできる(ニッケルフリー)
⇒無電解でアクリルに銀めっきをできるようになったのは山王が世界初
⇒ニッケルアレルギーの方でも使えるウェアラブルへの活用
3)現在の電子部品のほぼすべてに対して商品力を示せる
⇒大手メーカーの独占市場の市場に時価総額未だ27億の会社が切り込めるようになった。
導電性粒子の市場規模はとてつもなく広く、山王が持っている製品・技術価値は非常に高いと思われる。
そして不導体にダイレクトに無電解銀めっきを付けられる技術はめっき一筋60年、今まで愚直に培ってきた技術の賜物であり、他社が容易に真似できないオンリーワンのものである。
現在【水素透過膜】と並び、サンプル提供での提携先の模索中である。
ちなみに次世代半導体であるSICに【無電解ダイレクト銀めっき】が使えるのではないかとの思惑もあるようである。
■総括
つい先日の12月14日の四半期決算報告によると、
17年7月期第1四半期(8-10月)の連結経常損益は3900万円の黒字(前年同期は2億0200万円の赤字)に浮上し、8-1月期(上期)計画の2000万円に対する進捗率が195.0%とすでに上回った。
と好スタートを切れたようだ。
12月16日(金)終値560円
今期予想PER40倍
今期予想PBR0.53倍
今期予想通期売上高70億円
今期予想通期経常利益1億円
時価総額27億円
思惑通り提携が順調に決まり、水素社会、また電子部品での下剋上を果たした先の株価がいくらまでいくのかを知ることはできないが、興味のある方はぜひご自分の眼でこの会社を調べて頂き、長い眼で評価していただければ幸いです。
(相川伸夫)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)