明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。
相場低迷の2016年を最後の2ヶ月で、どんでん返ししたトランプラリーもクリスマス休暇明けから空気が変わりました。
11月の大統領選挙から超スピードでラリーを繰り広げた市場は、20日の米国大統領就任式を前にポジション調整とみられる動きとなりました。イベント前の調整に終わるのか、調整色がしばらく続くのか?
就任式を経て、本格的に動きだすトランプ新政権の動きを見ながらということになるのでしょう。
今後は、トランプ氏が打ち出した政策が実現するのかどうかに注目が集まります。
年初の市場では、中国人民元の乱高下、英国のEU離脱のハードランディング懸念でのポンド安でリスクオフのドル高・円高傾向が強くなりました。
また、昨日は人民元安を批判したトランプ次期大統領のドル高けん制発言も出て、ドル全面安による円高に。サポートとされてきた113円も割れて、押しがきつくなりました。
昨年末の調整で始まった2017年ですが、今年の市場の注目ポイントのトップは、トランプ新政権下で米国は3%台の経済成長率を達成できるのか?でしょう。
また、それに伴い、FRBの金融政策、特に3回程度とされる利上げするのか?
なにはともあれ、米国の経済状況が最大の関心事であろうと思います。目指す経済成長が実現可能だと市場が見てくれば、ドルは今年も堅調に推移するものと思います。ただ、その場合には堅調すぎた場合のリスク(ドル安への政治的圧力、アクション)には気をつけておく必要がありそうです。
米国の金融政策に関しては、金利の正常化だけでなく、リーマンショックによる金融危機後に対応した超金融緩和策でFRBの債券購入で膨れたバランスシートを今後縮小していくプロセスに入るのかどうかが注目点になるでしょう。その辺りも当然、米国経済状況によります。
どちらにしても、経済も金融政策も、政治次第。
2月末に出される予算教書を始まりとしてトランプ政権の政策とその実現性を見るうえで、新政権ならびに議会の動きに、これまで以上に注目していく年になるのでしょう。
EUも政治の年です。
フランス、ドイツ、オランダ等重要な選挙が続く今年。EUの政治動向でも市場は動かされるのでしょう。ドル高が続くという前提からすると欧州通貨は今年以上に低迷する可能性があります。
トランプ政権の目の敵にされている中国も、引き続き市場リスクとなるでしょう。
外需頼りから内需へと経済を転換しつつある過程で、人民元の国外流出が続き、トランプ政権からの圧力にもかかわらず、中国政府の意図的政策ではない人民元安は続くのではないかと思います。特にドル高が続いた場合には、元安を止められない可能性もあるのではないかと思います。
明後日1月20日に迫った米国大統領就任式。就任演説が注目されています。米国民を前に宣誓する式で、まさか過激なことは言わないとは思いますが…、どうでしょう。予測不能です。
トランプ氏、問題ツイートを連発して各方面に影響を与えていますが、初記者会見での対応、言動を見る限り、ご自身の言われる偉大な国家、特に多民族国家を統括する地位の人として、品格を疑う言動や態度が気になります。
政策自体だけでなく、国家トップの品格は細部に宿るのではないかと懸念します。
さて、今年も注目される米国の金融政策を決めるFOMC。初会合は1月31日2月1日です。利上げがあるとは予想されていません。直近の利上げ確率は12%程度です。3月、5月、6月…と開催予定がありますが、近い日程で最も利上げ確率が高いのが6月です。金融政策も、新政権の政策を見ていくことになるのでしょう。
年初のリスクオフ、ドル高牽制発言で112円台もつけたドル円相場。しばらくは、昨年11月から12月の動きの調整で111円~116円レンジ推移を想定しています。
近年、7のつく年はunlucky7(ブラックマンデーの1987、金融危機の1997、サブプライムショックの始まりの2007)が続きました。今年は前3回の事例を覆す年であってほしいと思います。
最後までお読み頂きまして、ありがとうございます。
※1月18日東京時間午後5時執筆
本号の情報は1月17日のニューヨーク市場終値ベースを参照しています。
なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記して
式町 みどり拝
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)