株価が下がれば下がるほど配当金が同じなら配当利回りが上がっていきます。
 ですから現在のような株価下落局面でなかなか下値が見えない場合は、モノサシとしては配当利回りが高く、しかも配当性向が低い銘柄を投資視点にしておくと良いかと思います。


 個人年金づくりのポイントはコア銘柄を何にするかが大事です。

 配当性向が低い上に業績が安定した成長が見込まれるとともに配当利回りが高ければ高いほど投資対象となりえます。

 基本は適度な分散投資ですが、高配当利回り銘柄への投資は場合によっては集中投資だってあり得ます。


 以前、相川氏が取り上げていたテノックス(1905)は私のコア研究銘柄の一つで、個人年金づくりにとって今後3年間の投資に耐えられる銘柄です。

 直近高値908円から112円下落した時価796円は年間配当金29円だと配当利回りは3.6%にもなります。皆さんの年金は大企業にお勤めだったら月額30万円だとすれば約360万円となります。
 この年金を受け取るためには1億円を3.6%の銘柄に投資する必要があります。付加的な私的年金で年間180万円でOKということなら5000万円をこの株に投資すれば良い訳です(残念ながら、ここまでの集中投資は株価下落局面では現実には難しい・・)。


 問題は減配などがありうるのかというリスクですが、そこを会社との対話にて確認していく必要がありますが、同社の場合は配当性向を20%から30%としており、業績も中期的に高水準が見込めるなどが想定できますので今期の予想EPS140円(前期は108円)としても年間配当金は配当性向25%とすると35円が期待されます。
 株価が一定水準を維持したとしても配当利回りは4.4%になる可能性が出てきます。また配当金を現状維持したとしても株価が下げ続け700円程度になったら4.1%になる可能性があります。


 こうした銘柄はなかなか見出せないのかも知れませんが配当性向ができるだけ低い銘柄で高配当利回りの銘柄が今後も投資対象となりうると私は考えております。

 高配当利回り銘柄を選定する場合、上場市場はどこでも構いません。長期投資が基本なので市場性は余り問題にはなりません。

 福岡Qボードに上場する日創プロニティ(3440)はその代表です。
 今8月期の一株配当金25円の銘柄の株価が先般532円まで下落。配当利回りは4.7%にまで高まりました。時価は568円に戻ってきましたが配当利回りは4.4%です。来8月期の一株配当金は30円としていますので配当利回りは5.28%となります。
 実はこの日創プロニティ、現在旬の商材の一つとなっている宅配ロッカーを製造しています。そのことはサイト内にも出ていますが、先般の企業取材でもその点を確認しました。だからどうだということではありませんが、意外な一面がモノづくり企業の同社にはあります。
 メガソーラーの架台が業績寄与した2013年8月期から2015年8月期の3期間で儲けた50億円でM&Aに注力するという同社の未来がどうなるかも含めて興味深いところです。


 かつて独自の視点で選んだKG情報(2408)も配当性向を大きく高めたことで、業績は小幅の伸びに留まるとしても今期の一株配当金を41.9円とすることを表明したことで株価が堅調に推移。


 皆さんもぜひ高配当利回り銘柄をわくわくしながら研究されてはいかがでしょうか。


(炎)


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