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会社四季報 業界地図 2018年版
東洋経済新報社
http://amzn.to/2iUJNLR
そつなく、非常にきれいにまとめられた本です。
見開き2ページで(例外もある)、各業界の概要がすっと頭に入りますし、会社四季報がベースになっているので、個別企業の解説が必要最小限の内容に限定されていますが。非常にわかりやすいです。
しかも、他の出版社から発行されている「業界地図」と違って余分な付録が無いところも好感が持てます。職人技に支えられた「実用美」さえ感じさせます。
ただ、企業や業界に対しての「切り込み」はあまりありません。しかし、このようなタイプの本にはむしろ必要ありません。一種の「辞典」、「百科事典」ですから、必要なことが掲載され、検索しやすく、短時間で概要が把握できれば良いのです。
<161>リサイクル・中古業界の動向は私も注目しています。
ブックオフが世間にデビューした頃は、<個人から仕入れて個人に売る>という高収益モデルや、<マニュアル化した値付け方法>などに感銘を受けましたが、今では中古市場も拡大とともに近代化されて、それらがごく普通の手法になりました。
逆に現在では、Eコマースの発達によって<個人から仕入れて個人に売る>ビジネスモデルが、厳しい試練にさらされています。いわゆる<CtoC>がネット上で活況になれば、個人でも中古品の取り扱いができますから、中古品取り扱いチェーンの独占は崩れます。
もちろん、仲介者や調整者としての業者の役割はある程度残るでしょうが、個人間取引はほとんど費用がかかりませんから、売買によって大きな利ザヤを稼ぐのは難しくなるでしょう。
ただ、その中でもいくつかの例外はあると思います。例えば「まんだらけ」が扱うようなコレクターズアイテムは、仕入れの機会が限られます。コレクターというのは、収集した商品に非常に執着する(だからこそコレクターであるわけです・・・)ので、なかなか集めたアイテムを売りません。まとまって売られるのは、亡くなったときが大半です。遺族にしたら、膨大な収集品をいちいちネットで売るのは大変ですし、価値もわかりませんから、「まんだらけ」のようなブランド力のある業者が、まとめて査定して引き取ってくれるのはありがたいことです。
また「コメ兵」は、ネットでの個人間売買において「鑑定」するサービスを始めましたが、高級品については、プロフェッショナルの関与を望む顧客が一定数はいると思います。
まだ混沌とはしていますが、非常に興味を惹かれる業界です。
(大原浩)
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(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)