昨年末に見られた株式相場の急落が大発会の本日も見られ波乱の幕開けとなった2019年。
米中貿易戦争に起因した企業業績への影響が懸念されている中、中国での売上減が見られたアップルの四半期業績に表面化。アップルの株価急落がNYダウの660ドルもの大幅な下落につながり日本株にも影響をもたらしました。
同時に見られた為替相場の円高(1時、1ドル=104円台)も株式相場の下落につながったことは言うまでもありません。ある程度は予想されていたこととは言え、年初の波乱相場は今年の先行きにも厳しさを感じさせます。
ところが、先週末のNYダウはパウエル発言で一気に746ドル高を演じ本日前場の日本株も日経平均が700円近い急騰を演じるなど下振れと上振れが交互に訪れる展開、まさに大波が打ち寄せているような展開です。
昨年年初は先高感がある中でのスタートが見られたものの年末にかけで失速。今年はその逆で先行き不透明感のあるスタートとなった訳だが、大発会の相場が安いからと言っても今年1年を通じて株式相場が下落する訳ではなくリスクマネーは成果を上げようと投資チャンスを伺っているものと見られます。
波乱の中から見出せる光明もある筈で絶えずここからの先行きを見守る必要があります。
客観的に見れば上げるにしろ下げるにしろ今年の世界の株価は確かに波乱の多い年になるだろうが、米中貿易戦争下での両国の今後の通商交渉の行方にも左右される展開が想定されます。
減税効果による米国の景気の良さが米国の株高をリードしてきたが相次ぐ利上げが景気の足を引っ張る懸念も台頭していることもここに来ての株価下落につながっていますが、米国の政策当局は日本と違い、臨機応変の対応ができることは改めて評価されます。
大幅な財政難に苦しむ米国を復活させるべくトランプ大統領が自国優先主義の下で打ち出した対中貿易での関税引き上げによる税収増によって米国にとっては財政問題の改善が期待されるとの考え方もポジティブに捉えることができます。
日本株は海外株安や為替相場に連動し、想定以上に弱い展開が見られるが、個別に見るとPER、PBR、配当利回りなどの指標で売られ過ぎている銘柄も多い。きっと皆さんもそう感じておられるに違いありません。
かつてより取り上げて参りましたアドソル日進(3837)のように、IT系を中心に景気の波にさほど左右されずに業績の成長トレンドを描ける銘柄も見出せます。少子高齢化が人手不足をもたらし、企業業績にもマイナスの影響を及ぼす中で、AIやIoT、RPAといった技術革新が進展。日本企業の活躍の場は広がりを見せています。
直近の原油価格の値下がりもガソリン価格の下落につながることで企業によってはコスト面でプラスに働き、今下期の業績に反映されると期待されます。メディアではいずれそうしたことにスポットライトを当てる可能性があり、株式市場もまだ認識不足の状態かと思われます。
昨年はソフトバンクのIPOで個人投資家が損をしてしまったという点が全体相場にもマイナスになって12月相場の下げに拍車をかけた面もありましたが、徐々にそうしたネガティブな要因は薄らぎつつあります。
むしろソフトバンクG(9984)の取り組む世界中のAI活用型インフラ企業への投資が一層を話題を集める可能性もあります。
シェアリングエコノミーの先駆企業、ウーバーの上場が話題になりつつある点も気になるところです。
昨年のIPO90銘柄の株価は上場後の高値形成後に大きく低迷するパターンを描く銘柄が圧倒的で、その多くは公開価格を下回っています。短期投資家を主体にした株式市場に中長期の優良な資金が入ってくるのか今後見守ることにしたい。
また、IPO後の企業のIRへの注力、認知度向上への努力にも期待したい。
株式市場では既にPERが5倍を割れ、PBRも0.4倍を下回り始めた銘柄が見られる。IPOしたばかりの銘柄の中にもそうした低評価に甘んじ始めた銘柄も見出せます。
昨年末の需給悪の時期を抜けた今、多少でも前向きに投資家が企業を評価し始める時期がやってくることを期待するとともに、波乱のスタートとなった元気のない株式相場が今年の干支と同様に猪突猛進で蘇ることを皆さんとともに祈願したい。
(炎)
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