今週(5月7~10日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で913円81銭下落し(率にして4.1%の下落)、2万1344円92銭で取引を終えました。5週ぶりの下落です。
10連休中に発表された主要国の景気指標は総じて堅調なものでしたが、連休終盤の5日にトランプ米大統領が中国に対する関税引き上げを表明。「米中貿易摩擦は妥結近し」がコンセンサスになりつつあっただけに、連休明けの内外株式相場は一転して大幅な下落を余儀なくされました。
今週の東京株式市場は4日間の立会いでしたが、日経平均株価は4日間続落。連休前から通算すると、5日間の続落となりました。連休前に買われていた中国関連を中心とする景気敏感株が主に売られています。
米中の貿易協議が土壇場でまとまることを期待する向きもありましたが、10日(金)には、トランプ政権が日本時間の13時1分、2000億ドル分の中国製品に課す制裁関税を従来の10%から25%に引き上げました。中国
商務省も報復措置を取ることを仄めかせています。
ただ、米中の妥協が成立する可能性はまだ残っていると考えます。
トランプ大統領は、来年11月の大統領選挙での再選に向けた支持率拡大に余念がありません。中国の関税引き上げは、ひいては米国の景気減速につながる公算が大きく、これは同大統領の支持率拡大には、明らかにマイナスとなるからです。
また、米中の対立が続いたにしても、米国に加えて、中国、欧州、日本と主要国各国の政権は、いずれも景気の失速を許容するとは思われません。金融面、財政面から政策サポートを一段と強化する見込みです。これらが、内外の株式相場を下支えするものと予想します。
株価は意外に底堅く推移するのではないでしょうか。
(水島寒月)
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