最低賃金引き上げの議論が漸く動き始めました。
このメルマガを通して、もう何年も前から引き上げによる経済効果を書いていましたが、今までは既得権の壁(オールドエコノミーや地方中小企業、後援会)に阻まれ進みませんでした。それが人手不足により、いよいよ「そんなこと言っていられない」状況になりつつあるのでしょう。
安倍首相が幾ら「景気は良くなった」「トリクルダウンだ」と言い続けても、異次元緩和と公共投資以外に成長戦略が無い中ではトリクルダウンどころではありませんし、余程の好景気にでもならなければ僅かなトリクルダウンすら期待できません。
一部の実績ある首相経験者を除いて、大半の為政者は言うことは立派ですが実行が伴いません。特にアホ~ド鳩政権の2010年前後は悪夢でした(苦笑)
先日も日本商工会議所を中心に最低賃金引き上げに反対の意見が出るなど「賃金を上げたら会社が潰れてしまう!」と言う声に阻まれ易いですが、日本商工会議所こそは中小企業2世3世の集まりですから、若干の賃上げにすら反対するほど生産性の低い事業を続けながらベンツ(またはレクサス、笑)を乗り回している地方経営者を多数見てきました。そんな輩ほど後援会で声を上げています(苦笑)。
地道に頑張っている経営者ほど商工会議所や後援会に参加するヒマなど無く、真剣に雇用を考えています。
力ずくで生産性を上げる一手法としても最低賃金の引き上げは大事と思いますし、実はこれこそが行政が出来る成長戦略かも知れないと考えています。
地方の中小企業に限らず、大企業に於いても生産性向上に伴う人件費引き上げは最重要課題です。
生産が上向き利益が増えたからと、やっと最後に人件費を引き上げるような経営思想は既に過去のものと考えています。
組織は人財が全てです。様々な組織を見てきましたが、人件費をコスト要因としか捉えない組織は衰退する、または違法行為をし易い企業と考えて間違いありません。
それにしてもと、川崎市での殺傷事件など最近は陰湿な事件が続きます。
海外で殺傷事件と言えば、まずはテロに関するもの、そして金目当ての強盗などが多いと思いますが、日本の場合には成人男性による子供や女性など弱者を標的にした無差別で理由も不明な非人道的事件が続きます。
歪曲した精神状態による陰湿で身勝手な犯行と思われますが、窮屈な社会の中で精神状態が不安定になり、自暴自棄的、または自己中心的な思考による犯罪が増えていると感じます。
失われた30年の中で徐々に格差が広がり、希望を持ち辛く、情報も偏り、強者(リア充)ばかりがクローズアップされ、そして都合の悪いことには蓋をする、弱者に厳しい(住みにくい)社会。
政治や行政とともに閉鎖的であり権威主義的、且つ硬直的経営を続けるマスメディアの弊害も大きいです。
今こそチャンスであるはずなのに、僅かばかりの最低賃金の引き上げにすら難渋するようでは明るい未来を感じることなど出来ないのかもしれません。
さて、当面の課題であったトランプ大統領の来日も無事に済み、いよいよG20と参院選が迫ってきました。経済・財政政策は心許ないものの、政局や外交については安倍首相(現与党)は中々巧者です。
G20を利用して幾らかでも米中貿易戦争の緩和(日本の利得?)に貢献できれば金融市場にも好影響となります。6月は金融市場関係者にとっては目を離せない月になりそうです。
ところで、昨年9月に書いたアルコニックス(3036)がレアメタルの問題で、今月中旬から急に賑わっています。記憶では1,500~1,600円辺りの頃に書きましたので、是非それをクリアするくらいまでは戻して欲しい。
最近は一過性の上げ下げが激しいので難しいです(汗)
(街のコンサルタント)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)