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国内外の不透明要因を背景にして最近の株式相場は限られた銘柄のみが、変動を見せる展開となっている。上向く変動ならまだしも、下を向きっぱなしの展開は個人投資家の元気をなくしてしまう。
良い銘柄だと思って買ったのに一向に上がる気配がないとあきらめの境地になった投資家は株式市場に関心を示さなくなってしまう。それでも時々は多少でも動きはある筈だからと待ちの姿勢でタンスの引き出しに入れて放置していればいずれは動きが出てくると言うのは筆者の考え。
(本日は相川さんがそうした右肩下がりながら何か魅力を感じさせてくれる銘柄を取り上げてくれているようですのでご参照下さい。因みに私も有料メルマガで取り上げておきます。)
上がらない理由は米中貿易摩擦による負の影響、イラン問題、英国のEU離脱、日韓の軋轢、消費税増税、景気停滞など様々であろうが、筆者は日本株の評価が高まらない背景は未来への自信がないからと考える。
日本の企業には米国のようなダイナミックさがないとの指摘は確かに的を得ている。とは言え税金を払わずに活動を続ける米国のGAFAと呼ばれる企業群への批判も根強く、もしかしたらこれらに向かってきたリスクマネーはこれまで見向きもされてこなかった日本の出遅れ銘柄、割安感のある銘柄群に戻ってくるかも知れない(これは淡くて軽くすぐにはじけるシャボン玉のような期待かも知れませんが・・)。
高い水準で投資して塩漬け状態の銘柄にもリターンを上げられるタイミングはやってきても不思議ではないが、機関投資家から一様に言われるのは流動性の無さだとも言われる。
運用資産額1000億円を超えるファンドであれば1ショットの投資で1億円規模は当たり前でそうした比較的高い流動性を備える銘柄で成果を上げていける銘柄となれば時価総額は少なくとも300億円程度は最低ライン。これは新たに設定されようとしている東証1部の最低時価総額250億円と符合するが、そのための施策としては小規模時価総額企業同士が合併するか自らの業績を向上させるしかない。
せっかく東証1部銘柄になったのに時価総額が100億円以下に留まってまた市場替えになれば勿体ない。だからと言って業績が簡単に上がる訳ではないので、残りはM&Aによる業績拡大、他社との合併などが施策として打ち出される可能性はあるだろう。
何でこんな株買ったんだろうとぼやいていないで今一度その銘柄の立ち位置をチェックしてみてはどうでしょう。上向く気配がまったく感じられない銘柄にもどこかにチャンスはある筈。
因みに私に時々相談が寄せられる銘柄としてはサイネックス(2376・東証1部・時価総額34.5億円)がある。同社は東証1部でこの時価総額だから、そろそろ東証1部の新たな基準を意識した事業展開を意識しないとならないが、その小さな片鱗は感じられる。
テレパル電話帳や自治体が発行する暮らしの便利帳というオールドメディアとも言うべき紙媒体を主力に着実に業績を維持してきた点ではこのデジタル時代の中でよく頑張っていると評価できるが、成長性の芽がないと評価は高まらない。時価総額が現預金並みにしか評価されていないのは未来への期待に乏しいからだと断言できる。
2年半前の高値1298円から右肩下がりの展開が続き株価が630円前後で低迷する同社が先般リリースしたことは奈良県でのAI自治体アプリ。同社もようやく時代の流れについてきたのかも知れない。
スキー場のゲレンデのように低迷する株価の行方は果たして・・。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)