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為替市場動向~FOMC、年内利下げは10月で終了?~
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為替市場動向~FOMC、年内利下げは10月で終了?~

2019-11-02 23:03
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     10月も最終週になり、今週のトピックは、米国の利下げ実施が予想されるFOMC、そして、その結果に続いて翌日行われるのがBOJ会合です。一部ではマイナス金利の深堀りを予想する向きもあるものの、現状維持が過半数という調査結果(ブルームバーグ)。もしも、少数予想の金利深堀りが出たとしたら、多少のインパクトはあるでしょうが、限定的と推測します。

     今回のFOMCでの0.25%の利下げは既に市場では織り込み済みとみられ、(1.5~1.75%への)利下げ確率は95%。前回の会合の時には年内あと1回とのコメントがあったので、年内はこれでお仕舞いと見るのか、直近調査では12月の利下げ確率は3割ほどです。

     気になるのは、今回のFOMCでの利下げを織り込む中、米国の長期金利は上昇していることです。月初の10年債は1.635%でしたが、直近は1.83%。長短金利差も順イールド。注目されてきた2年VS10年差も、月初の0.08%から直近0.20%に拡大。単なる調整なのか、景気後退への懸念が薄れてきたのか。見極めたいところです。

     今後のFRBの金融政策は、貿易関税協議の進捗や国内のインフレ状況によると見られます。FRBはこれまで、なかなか上がらないインフレについて言及してきました。
     FRBの金融政策の目標「雇用と物価」から考えると、貿易問題による影響が限定的でも、インフレ率が目標を下回る限り、利下げの方向性を保持していくのではないかと思います。


     今週後半に注目されるのは、日米の金融政策会合のみならず、直後の金曜日11月1日に発表される10月の雇用統計と、その1時間半後に出るISM製造業景況指数という市場に影響を与えてきた重要指標が発表されることです。雇用統計で反応して、ISMで逆方向に反応するということもあるかもしれないので、雇用統計でアクションを早まらない方が良さそうです。

     10月月初には、9月のISM製造業指数の悪さで大きく相場が下げました。8月に続く50割れ(8月49.1、9月47.8)となったことで、リスクオフの株安、通貨ではドル高円高という反応でした。

     ただ、その後の米中貿易協議の進展やBREXIT問題の進展でリスクオンへ傾き、現在に至ったと言えます。ヘッジファンド決算を控えた荒れるとされる10月。今年は、ショートカバーの嵐になった感があります。


     月末の終値はまだ分かりませんが、為替市場では、今までのところ、10月の主要通貨対米ドルの動きは、英ポンド4.7%上昇を筆頭にブラジルレアル、南アランドが続き、1%前後下落をみせたノルウエイクローネと日本円以外はドル安で終わりそうです。ドル安円安は、リスクオンでの基本パターンともいえます。

     リスクオンの円安とはいえ、ドル円相場は、月初108円一時下値106円上値109円台をかすめるも滞在時間からすれば108円の半ば中心の動き。今月に限らず、動かないドル円相場には、トレードする者としては困ったものです。

     円だけでなく、主要通貨であるユーロ相場も同じく。
     時として大きく動いた後は、まったりと狭いレンジで冬眠するがごとく。冬眠のエネルギーは、いつか爆発するのか、目をはなさず、忍耐強くウオッチ続行と参ります。


     一方で、このところ大きく動いたのは、中国政府が示したブロックチェインへの興味、人民銀行が世界初のデジタル通貨発行か?のニュースでジャンプアップした仮想通貨でした。フェイスブック主導のリブラの発行が延期になったりで機運が後退するなか、中国のこの動き、注目されます。


     さて、冒頭に記したように今週は日米の金融政策決定会合が開催予定ですが、欧州中銀の理事会は先週行われました。この理事会で、8年間総裁をつとめたマリオ・ドラギ氏が退任しました。ドラギ・ファンの私としては、なんとも淋しい限りです。

     イタリア財務省時代には、イタリアの通貨危機を救い、欧州中銀総裁になってからは、ユーロ圏の債務危機もありました。「できることは何でもやるWhatever it takes」と宣言。重債務国の無制限の国債購入プログラムをはじめ
    として、様々な政策を駆使して窮地を救ってきました。
     「できることは何でもやる」は有名なドラギ発言で、相場を動かし、ドラギ・マジックとも呼ばれました。また、欧州に1000万人以上の新たな雇用を生み出したのも大きな功績でした。ドラギさんには、「ありがとう!」でしょう。

     11月1日に新たに就任する第4代ECB総裁は、元IMF専務理事のラガルド氏。
     元々は弁護士で経済が専門ではないことを指摘されてもいますが、閣僚経験も多々ある彼女がどのような手腕をみせるのか。注目していきたいと思います。


     最後までお読みいただき、ありがとうございました。


    【筆者よりご挨拶】

     2010年2月から、億の近道で隔週に執筆させて頂いてきましたが、個人的勝手な都合により、今回で一旦終了させていただきたいと存じます。
     長年に渡り、サポートいただき、ありがとうございました。

     外資系金融機関でディーラーとして相場に長年関わってきた経験から、少しでもお役にたてればという思いから執筆して参りました。拙コラムが投資に幾ばくかでもお役に立てていたなら幸いです。今後は、一読者として億の近道を応援していきたいと思っています。

     読者の皆さまの今後の投資活動が健やかに発展されますことを祈念申し上げます。


    ※10月30日東京時間12時執筆
     本号の情報は10月30日東京市場始値ベースを参照しています。
     なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。


    式町 みどり拝


    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)


    【編集部より】

     式町みどり様、通算235回にわたってコラムを提供いただきました。
     9年8ヶ月に及ぶ億の近道での執筆、ありがとうございました。

     式町みどり氏の過去コラムはこちら ⇒ http://okuchika.net/?cid=35
    ★式町氏へのお便りは okuchika.mail@gmail.com まで。
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