今年に入り乱高下の相場が続き、高値で買い、安値で売らされ売買損失の連続が続いていると言うことはありませんか?
今年のようにイラン米国紛争や新型ウィルスの拡散問題で相場が乱高下するときには、必ず過去に同じような出来事がなかったかを検証し、振り返ることが大事です。
株価にも同じことが言えます。
その時、その後どう動いたかを検証し株価の推移を分析する、まさしくチャート分析がそれなのです。
チャート分析にはいろいろな手法があるので、自分に合うものを見つけ出し使うことをお勧めいたします。何が当たる、何が当たらないではなく、あくまでもテクニカル分析は相場観測の道具の一つです。
使わないと知らないことと一緒です。
使ってみれば、使い勝手もわかります。
今回はテクニカル面とファンダメンタル面の、両方からのアプローチで銘柄を取り上げます。
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『外食の勝ち組で業界トップを狙う』
◆物語コーポレーション(3097)[東証一部]
【事業紹介】
焼肉、ラーメン、お好み焼レストランチェーンを直営、FC展開。
焼肉きんぐ、丸源ラーメン等が主力業態。
2007年の1号店オープンから国内は498店舗(直営277店舗/FC221店舗)、海外は17店舗(直営13店舗/FC4店舗)(2019年6月30日現在)まで店舗網を広げ、飛躍的な成長を遂げたテーブルオーダーバイキング業態の「焼肉きんぐ」。
「開発・人財力」を強みに拡大成長してきた。現在は牛角に次ぐ2位だが、この3年以内に焼肉業界で売上トップを狙う計画がある。
ファミリー層をターゲットとしたリーズナブルな郊外型の焼肉店が増えてきており、単品注文もできるが、食べ放題に特化した焼肉業態「焼肉きんぐ」を同社は開発した。
そこで他社との差別化として重要視したのが、「(注文から提供まで)お待たせしない」ことである。
また他社が採用難に喘ぐ中、アルバイトの採用においては応募から面接日までの日数削減に全社を挙げて取り組むなど細かな工夫で、安定した人材確保へとつなげ、独自のスキームで人材育成に取り組んできたことも好業績を維持できている要因である。
食材や資材の高騰で原価率は上昇、人件費も高騰する中、大事なのは接客サービスを行う人材だと考えている。接客を通した人と人とのつながりが、さらなる来店頻度の拡大につながるとしている。
店内スタッフは清掃部員と接客部員が完全に別れており、次の顧客案内に掛かる時間を清掃時間を含めて5分以内に徹底しており、また制限時間を120分から90分にしたことにより顧客回転率を上げ、利益率が拡大している。
ラーメン部門はファミリー向けラーメン専門店として、核メニューである「にくそば」に加えて季節限定商品等の商品開発を強化している。
しゃぶしゃぶ食べ放題の「ゆず庵」では大型電子看板の設置を増やす予定である。2021年6月期までにフランチャイズチェーン(FC)店も含めて全店に設ける。電子看板は道路からでも目に入りやすいため、時間ごとに表示する広告を変えて集客につなげるとしている。
ゆず庵は全店が路面店であり、昼食や夕食など時間帯にあった広告を表示し、ドライバーの関心を集める。導入した2店ではすでに1割ほど売上高が伸びているといい、特に今まで訴求できていなかった昼食の客が増えているという。また動画での広告も検討しているとのこと。
更に昨年には会話の音声を活用したサービスを開始した。来店客の会話を人工知能(AI)で分析して注文を予測するほか、顧客満足度を可視化する。省力化や従業員の接客力向上につなげる。
音声分析で得たデータを利用したウエアラブル端末も開発する予定である。
眼鏡型の「おせっかいスカウター(仮称)」に、AIで分析した各席の満足度などを表示し、接客の際の会話のきっかけなどにする。2021年の試験導入を目指している。
また同社の事業展開の5部門の中で、今後一番伸びている部門は、やはり焼肉部門である。今後4~5年はこの部門に人とお金をかけて行くとしており、5部門の中で利益率も一番高く17%前後で推移している。
店舗展開に関しては海外店舗は現在は17店舗だが、今後の具体的な展開としては中国をメインに出店を考えている。中国の新型ウィルスや経済状況を見ながら物件を探して行くとしている。前期も出店予定に対しては未達であった。
今月に入りTVで特集され知名度が上がり、注目を浴びつつある。
『外食の勝ち組で業界トップを狙う』意気込みが経営戦略からも伺える。
テクニカル面では一昨年高値14180円から昨年安値7700円まで調整したが、足元の一目均衡表の日足では三役好転で短期上昇を示唆する動きとなって来ている。
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今後も注目して見て行きたい。
(あすなろ産業調査部 藤井勝行)
[藤井勝行氏 過去掲載]
相場の本質を知ろう http://okuchika.net/?eid=8755
過去の栄華を振り返り、相場の心得を知る http://okuchika.net/?eid=8829
今年の相場を振り返る http://okuchika.net/?eid=8904
[藤井勝行氏プロフィール]
1991年中央大卒業後、山一證券で個人営業を担当。その後国内外の証券会社で機関投資家向けに日本株式セールスを担当、独自のファンダメンタル・チャート分析に定評がある。経済専門新聞や週刊誌、国内外情報ベンダー等に市況コメントを掲載し株式セミナー講師としても活躍。相場の本質を伝えることをモットーとする。
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