有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。
自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。
=コラム「国内外に問題が山積なので急がずじっくりと企業の研究を」=
(有料メルマガ第382回・2016/05/24配信号)
※注 2016年5月現在の内容ですので留意下さい。
【前略】
10年間のあいだ、ほとんど利息を生まなかった預貯金から株へのシフトを計画しながら、いまだにほとんど実行できない状況が続いています。しかし、まだ計画してから5ヶ月しか経過していないので、待ったうちには入らないと気長にチャンスを狙うことにしています。気が長すぎると、自分で感じた時には若いころから続けたゴールド投資のことを思い出すことにしています。
私は本当に価値のある物が、安くなった時に買うのが大好きな性格です。
このコラムでも昔に書いたことがあったと思うのですが、私がサラリーマン初年兵のころ、つまり1980年にゴールドの価格が1グラム6000円以上になったことがありました。
その後にゴールド価格が円高とゴールド価格の下落により高値の半分以下の1グラムが3000円程度になった1982年ごろから、私はゴールドの定額購入をスタートしました。その後プラチナの希少性に着目し、ゴールドの定額購入をプラチナの定額購入に変更したりして、断続的にゴールドとプラチナの定額購入をしていました。
しかしゴールドの価格は20年近く下げ続けて1グラムが1000円以下と高値6495円の14.12%の917円まで下げ続けました。半値八掛け2割引き(=38%)の更に5割引きという超大暴落です。
それでも私はゴールドの購入をやめようとは思いませんでした。ゴールド価格が1グラム1300円程度まで落ちて来てからは、定額購入の他にゴールドを100グラムとか500グラムずつ、資金がある時にまとめて買うことも行いました。
ゴールド価格が上昇に転じてからはゴールドの購入をやめましたが、買ったゴールドは売らずに持ち続けています。
現在のゴールド価格は4700円前後で動いています。ゴールドを買い始めてから30年以上たって、全てのゴールドが買値以上になったわけです。37年間という実に超ロングの我慢です。
ゴールドは利息が付かないので、複利計算でどのくらいの利回りになったのかは計算していませんが、株式投資に関してもこのくらい気長に行うほうが良いのではないかと覚悟をしなおして資産の割安株を探しては、ビジネスモデルや資産背景を調べています。このような銘柄探査では、いろいろな発見がありました。
本日の研究銘柄であるサイボーも、現在保有している資産の価値だけで考えても時価総額の2倍以上の実質的な価値があります。しかも配当利回りが3%以上ある企業です。これからも黒字を出し続ける力をもつ高い収益力を持つ企業です。
サイボーだけではなく、最近研究銘柄として取り上げた安田倉庫、東京ドーム、日本ヒューム、ニッケなども同じような含み益の大きな土地を持つ上に黒字を出し続ける収益力を持っている企業です。
配当や優待などインカムゲインが十分にある企業ばかりです。1年から3年くらいのスパンではなく20年以上の長いスパンで考えたら、こんな安い株価で買えたのが不思議なくらいの株価になっている可能性もあると考えています。
特にインフレが押し寄せてきたらでそうなる可能性が高くなると思っています。ただ私はいま62歳なので20年たつと82歳になっています。実に気長すぎるような感じがしなくもありませんが、それくらいの考えで投資をしていると短期間の株価の乱高下はあまり気にならなくなってくるので不思議です。つまり自分の覚悟しだいで株価変動に対する感情が変わります。人間は不思議なものです。
このごろの日本の企業の業績と株価を見比べていると、そのくらいの気長な気持ちが必要なのではないかと感じるようになりました。何故かというと、次のような低PERかつ低PBRの企業がけっこう見つかるようになったからです。
【中略】
若いころから多くの資産運用に関しての本を読んできましたが、私が若いころ実践していたことを書いている本によく出会います。
株式などリスク資産に投資する前に、リスクの無い貯蓄手段で生活防衛資金を2年分貯めることが先だという考え方です。
他にも、株式投資を始める前に、まず年収の1年や2年分を貯めて、それから投資手段を考えるべきだということを述べている本もあります。
私は預貯金で2年分くらいの生活費を蓄えた後は、更にプラスして生活費の2年分はゴールドまたはゴールド関連資産(金鉱株や金鉱株ファンド)で蓄えるべきだと考えて実行していました。
ゴールドの購入は投資というよりも生活防衛資金として蓄えていたというほうが正確なのかもしれません。
万が一にも恐慌が日本を襲ったとして、大混乱が起こる期間はせいぜい1年くらいでしょうか。預貯金で2年分の生活費を持ち、更に余裕を見て2年分の生活費をゴールドで蓄えたわけです。
日本だけに危機が訪れても、世界恐慌になっても金だったら大丈夫だという考えに基づいたものでした。
だから家族一人あたりゴールド2キロくらい(現在のゴールド価格だと1キロくらい)持っていればいいというのが私の考えです。だからゴールドが下げ続けても持ち続け、買い増し続けることができたのかもしれません。
私はゴールド投資を始めてから25年近く含み損を抱えながら買い増しを続けていました。物は考えようで金が下がっているということは世の中安泰ということだと、心は安らいでいました。
いまのように金価格が上がるのはむしろ世の中に怖いことが多すぎるのかもしれません。その不安の種を少しでも和らげるのがゴールド投資だということなのだと考えています。
ただ私にゴールド投資を教えてくれた師匠によると、ゴールドは信託銀行の本店でスイスの銀行の刻印のある1キロバーを目だたないように少しずつ買うのが良いということでした。
預金封鎖等非常時には銀行の貸し金庫も封鎖されるので、貸し金庫は保管場所としては避けるべきだということも教えられました。
この話を京橋の老舗の宝石店(宮内庁御用達)の社長さんにしたら、非常時に金を20キロも30キロも背負ってにげるのは無理がある。本当のお金持ちはすごくクオリティーの高いダイヤモンド(中国の大金持ちはヒスイだそうです)を蓄えておくそうです。
その話を聞いた時はクオリティーの高いダイヤモンドを買えるような資金を持っていなかったので、家族一人に2キロのゴールドが良い選択肢だと考えたわけです。
最後になりますが、リスクの無い貯蓄手段で生活防衛資金を2年分貯めるための一番有効な方法はケチに徹することです。つまりケチも資産形成のための立派な戦略だと私は考えています。
『ケチケチ3年ケチ8年』これは私の尊敬する邱永漢氏の言葉です。投資をするためには種銭が必要です。お金は生活費を使ったあとの残ったお金を貯めようなどという根性では、貯めることは出来ません。
ケチでは貯めることが出来ないのです。ケチケチ(ケチの2乗)くらいの努力をすると貯まり始めます。『ケチケチ3年ケチ8年』というのはケチケチを3年続けると、ケチが身につくので、あとの8年はケチでもお金は貯まりつづけるという教えです。
ケチケチ3年もすれば500万円か1000万円くらいはすぐ貯まります。ボーナスの全部と、給料の30%を貯めれば、月給30万円の人でも(ボーナス年4ヶ月として)600万円は貯めることが出来ます。
私は手取りの給料が408万円のとき年間200万円貯め3年間で740万円ほど貯めた実績があります。貯める気になれば貯まるものです。
更に邱永漢氏は『お金はさんかく(三欠く:義理と礼儀と恥じをかいて)に貯まる』とも書いていました。
どのような要因が株価を上げるために必要なのかが、本当にわかりづらくなっている昨今の日本の株式市場です。株式投資に対する努力を続けつつ、初心にかえって、節約についても考え直してみようかと感じているこの頃です。
【後略】
経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎
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サイボー(3123)研究銘柄レポート+コラムの構成です。
コラムでは、中西製作所(5941)、富士通フロンテック(6945)、イチネンホールディングス(9619)、日本ピストンリング(6461)、K&Oエナジーグループ(1663)、シークス(7613)、ヒューリック(3003)、オーエムツーネットワーク(7614)などについても言及しています。
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