日経平均が弱い一方でTOPIXが強いという現象が起きています。

 戦後の株価指数は日本経済新聞社で選び出された代表的な225銘柄で計算される日経平均で語られてきましたが、この指数、ファーストリテイリングなど一部の銘柄に偏ってしまったので過去ややいびつな変動を見せてきました。

 年間6兆円以上にも及ぶ日銀のETF買いも日経平均連動型ETFへの投資を重ねてきたということで資金が限定された銘柄に投じられ、結果としてイレギュラーな変動を見せるに至った日経平均から日銀がTOPIX型のETFにシフトするという話で市場はその対応に追われたようですが、もうそろそろ落ち着いてくるかと思われます。

 何しろ日経平均上がれども皆さんがお持ちの銘柄にはインパクトがなかった訳で日本郵政や日本たばこ産業など財務大臣が筆頭株主になっている銘柄や都銀株、地銀株などずっと右肩下がりの展開が続いてきましたので民間金融機関の親玉でもある日銀にとっては今回の政策変更はやっと気が付いたのかという感じなのです。

 これで日本に数多く存在するバリュー銘柄にも多少はリスクマネーが投じられることになる。そう考えた目ざとい投資家が一気にこうした銘柄に向かった訳です。


 問題はこの先またどうなるのかということです。

 業績成長が期待できないバリュー銘柄では限界もあって未来永劫にこうした銘柄が上昇することは難しいかと思います。一定期間の潮流だと割り切って考えておきたいと思います。
 こうした出遅れ感のあった銘柄への物色の潮流が終われば全体相場は調整に入る可能性も出て参りますので注意しておく必要があります。

 バリュー銘柄が成長に向かうと話は別ですが、限界はあります。


 ところでTOPIXは全銘柄の時価総額を表しています。現在の東証1部全体の時価総額は750兆円。1968年1月4日の時価総額を100ポイントとしてスタートしたのがTOPIXで時価総額を指数化したものです。

 そのピークは1989年末の2884.80ポイントでした。
 2008年のリーマンSでは急落を演じました。現在は約2000ポイントになっています。

 現在の東証1部銘柄数は2195でこの中の225銘柄が日経平均(1950年9月7日からスタート)を構成していることになります。

 本コラムでは今後も入れ替えの激しい日経平均よりも相場の実体に近いTOPIXで相場全体を語るようにしたいと考えておりますので宜しくお願いします。


(炎)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


honoh_01.jpg