閉じる
閉じる
×
本日は農業絡みのお話をもう一つ取り上げておきたい。
日本の株式市場には水産業や食品・外食というセクターには数多くの企業が上場している。一方で純粋な農業セクターの銘柄が少ないという状況が見られる。国土の狭い日本で変化の激しい災害も多い自然環境と向かい合っての農業はリスクが大きく非効率なビジネスと捉えられる。
ただ、屋内栽培型のきのこメーカーや種苗会社などの事業規模は比較的大きくなっているが、これらに続く本格的な成長企業は登場していないとの印象だ。
この中で雪国まいたけ(1375・時価1676円)、カネコ種苗(1376・時価1480円)、サカタのタネ(1377・時価3760円)、ホクト(1379・時価1965円)は巣ごもり需要もあって比較的元気なようだ。
食肉、鶏卵の秋川牧園(1380・時価1140円)はECサイトの構築で成長の入口に立っているほか、イチゴ栽培のホーブ(1382・時価938円)も通販型で業績拡大を図ろうとしている。
また、四国宇和島に本社を置く野菜の苗木開発・生産販売のベルグアース(1383・時価2429円)は上場から10年近くが経過し徐々に売上規模を拡大させつつあるようだ。
農家の直売所を自称する和歌山に本社を置く農業総合研究所(3541・時価551円)は2016年の上場後一時話題になったのですが、その後はまだ収益性の向上には至らず株価は低迷が続いている(社名ほど農業のことを研究してはいないのかも知れません)。
最近になって足場企業のタカミヤ(2445・時価526円)がアグリ事業に参入した。埼玉県羽生市で大規模農業実証栽培プロジェクトに参加し農業用ハウス建設を行った。
異業種からの農業事業への参入事例は他にもある。
例えば商社の中で今別の話で話題となっている三菱電機系の半導体・電子部品商社、菱電商事(8084・時価1658円・時価総額361億円)が展開するスマートアグリ事業では株式会社ファームシップと合弁で次世代植物工場を展開する。
閉鎖型植物工場で5月に着工。世界初のほうれん草の大量生産を目指す。
このほかオフィス用観葉植物のユニバーサル園芸社(6061・時価1850円)でもいちごなどの果樹園事業に参入。
イオンや神戸物産といった小売り業でも農業分野に注力している企業も見出せるほかキューピーやカゴメ、伊藤園といった加工食品ビジネスの大手企業においても原料調達という面で農業を手掛ける。
更には農薬や肥料、農業機械、ビニールハウス資材など農業関連企業は幅広く存在している。
このほかエスプール(2471・時価1001円)の農園事業、生鮮MDシステム、農業支援事業を展開するイーサポートリンク(2493・時価905円)、ブラジルでのアサイー生産のフルッタフルッタ(2586・時価216円)などユニークな農業ビジネスに取り組む企業が見出せる。
食糧は人が生きる上で欠かせない重要な資源である。
このため水面下では多くの企業が農業を新たな成長分野と捉えて参入を図ろうとしているのかも知れません。その際に求められるのは効率性や安全性など。単純な農業からDX(デジタルトランスフォーメーション)化した新たな農業ビジネス企業が株式市場でも表れることを望まれる。
そうした意味では佐賀大発ベンチャーで農業×ITを事業テーマの一つに掲げるオプティム(3694・時価2229円)あたりにも関心が寄せられる。
同社は国内で初めて固定翼型ドローンを用いて作物の生育情報を広範囲で取得し、きめ細やかな栽培指導を実現する実証実験を実施するなど新たな農業の革新技術を持つ。
同社株は業績拡大とともに過去大きく上昇してきたがやや行き過ぎた印象もあり昨年の8月から株価は調整中だが日本の農業に変革をもたらす可能性を秘めたDX企業として評価されることから改めて見直しの時期が訪れるものと期待される。
(炎)
[炎チャンネルスペシャル シリーズ2 最終回アーカイブ配信中!]
波乱の相場展開の中で個別株動向について熱く語る炎のファンドマネージャーの話に乞うご期待!!
続・トヨタ株動向、炎の銘柄研究では、特許・知財に絡んだ銘柄研究やテンバガー候補をチェック。フリートーク、先週発売のダイヤモンド・ザイ8月号で取り上げた500円以下で買える銘柄を解説などなど。
ご視聴宜しく!!
有料アーカイブ視聴のお申込みはこちら(500円)
⇒ https://twitcasting.tv/c:okuchika/shopcart/78034
7月7日までアーカイブをご覧いただけます。
過去回の第1部無料配信中!!
視聴はこちら ⇒ http://bit.ly/honohspl2
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)