オークネットと言えば中古車のネットワークオークション会社として着実な成長を辿ってきました。中古車や中古バイクという世界では現車オークションとオンラインオークションがあり、広大な土地が必要な現車オークションでは断トツトップのユーエスエス(4732・時価1949円)があり、時価総額4860億円(今期予想経常利益391億円)の規模となっています。

 ただ、過去の業績(経常利益)は高水準ながらほぼ横ばいの状態です。

 これに対してオークネットは中古車やバイクのオンラインオークションで培ってきたネットオークションのシステムノウハウをベースに他のアイテムにも展開。花卉、PCやスマホなどのデジタル機器、時計やアンティーク、骨董品などのコンシューマープロダクツなどの取り扱いアイテムを拡大させて単なる中古車オークション会社からモノの1次流通と2次流通の融合を図るサーキュラーコマースへとビジネスを目指す。
 こうした取り組みによって地球規模のモノの循環を図ろうという循環型流通を構築する。

 今でこそ猫も杓子もSDGsというキーワードを掲げる潮流があるが、同社は創業時からこのSDGsを実践してきたと言えなくもない。

 そのアイテムはますます広がりを見せることになる。
 先週同社は千趣会と2次流通領域で協業を開始すると発表した。小売り業の中に最初から買取サービスを入れて顧客との関係性を強化しようと言うのだから異次元の世界がおぼろげながら見えてくる。

 新たな取り組みで言えば、子会社メネルジアでスタートしたのがiryoo.comである。日経メディカルオンラインの会員向けの医療従事者、医師向けの医療情報動画コンテンツサービス(月額980円)でYoutubeと同様にメディアの機能を有している。66万人もの医療従事者が登録して見てくれるという媒体なのでビジネスの価値は大きい。

 このほか様々な取り組みが水面下では進んでいるに違いない。
 2Q決算の発表を10日に予定。今期の予想経常利益は45億円となっている。過去最高益を更新に見込みだが、ユー・エス・エスに比べれば水準は低い。
 とは言え、世界を相手にしたオンラインオークションの未来は明るくPERは30倍以上があってもしかるべきだろう。


(炎)


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