東京オリンピックの開会式から1週間余りを経て競技が佳境に入る中でまた再び新型コロナのパンデミックの脅威が日本全国を覆い、メダルの行方より今後の生活への不安が気になる今日この頃です。
こうした中、米国株高が続いているにも関わらず日本株は調整が継続。
8月上旬に予定されている今3月期の第1四半期決算発表を前に様子見気分の状況が続いています。先週末は月末と重なり大幅安となりましたが、週明けの本日はリバウンドの動きが見られました。
と言ってもまだ予断は許しません。
こうした相場環境はIPO市場にも反映され、直近IPO銘柄、とりわけ上場ラッシュとなった6―7月のIPO銘柄の大半が上場後の高値から株価の下落トレンドが見られます。
6-7月は6月2日の建設コンサルティング会社メイホーホールディングス(7369)から7月30日に東証2部に上場した半導体パッケージ製造装置、有機ELパネル製造装置等の開発製造会社AIメカテック(6227)まで31の銘柄が上場を果たしています。
ここから8月20日のシイエヌエス(4076)までは新たなIPO銘柄は登場しませんので、じっくりと研究していくことにしましょう。
31銘柄のうち、初値が公開価格を割れたペイロール(4489)、デコルテ・ホールディングス(7372)、ドリームベッド(7791)、アルマード(4932)の4銘柄を除くと概ね順調なスタートを見せましたが、上場後の株価はいずれも調整色を強めています。
過去1年程度のIPOをチェックしても多くは調整トレンドを描いており、上場後に積極的に投資された方にとっては今後の展開が気になっておられるものと拝察致しております。
日経平均やTOPIXは2,3月の高値から調整の動きが続いており、底打ちを待つ投資家の皆様も多いのかと思いますが、IPO銘柄の株価が反映されやすいマザーズ指数は昨年10月をピークに調整が続いています。
リード役不在のIPO銘柄が調整から抜け出すには全体指数の底打ちが不可欠ですが、個別銘柄の業績、成長へのメッセージが投資家に伝わる必要があります。業績面での不安がある間はなかなか積極的なリスクテイクは難しいのかも知れませんが、オリンピック競技で言えば10秒前後で決着がつく100メートル走ではなく2時間余りの長時間をかけて競うマラソンに例えるならスタートは良くてもその後が続かないという状況。
穏健な初値形成でスロースタートした銘柄の方がむしろ後から巻き返すこともよくあります。IPO銘柄の多くが上場後に高値をつけその後調整を見せてもその実力を背景にリバウンドを見せます。
マラソンランナーへの応援団が投資家とすれば上場後のこうした調整局面でこそ応援すべきかも知れません。そうしたIPO銘柄の株価変動の特徴を捉えてのリスクテイクが求められます。
大方が調整ムードにあるのですが、アイドマHD(7373)やEnjin(7370)といった高ROE銘柄には堅調な株価推移を辿る銘柄も見出せます。
つまり、決してIPO市場全体の火が消えた訳ではないことがわかります。
多くの企業が間もなく四半期を発表します。基本的には業績内容を吟味しながらの投資を敢行されることになりますが、ここでは業績数値だけではなく事業内容や未来への成長意欲を示すIPO企業を改めて注目したいとと思います。
(炎)
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