多くの投資家の皆さんは四半期ごとに企業から発信される決算情報をどのように読み取りながら運用されているでしょうか。
各上場企業の業績はリーマンショック後の2009年から四半期ごとに公表されるようになり、投資家の方はその発表内容に関心を持つ必要が出てきました。投資のバイブルとも言える会社四季報は文字通り四半期ごとに企業から発信される内容を伝えている媒体と言えます。
企業の決算期は様々で、最も多いのは3月期決算のようですが、既に今期の第1四半期(4-6月期)の発表が終わり、既に第2四半期(7-9月)の真っ只中にある状況です。
四半期決算のポイントは通期の見通しに対してその四半期決算がどの程度、売上や利益が進捗しているかになります。通期目標に対しての進捗率が低い企業は通期達成確率が下がる一方で進捗率が高い企業は達成される可能性が高くなる。
常識的にはそうなのですが、企業ごとにそうした単純な捉え方ができないことも事実ですので、そこは私のようなアナリストや皆様のような個人投資家の研究・分析が必要となります。
先週開催のタカショー(7590)の決算説明会でも興味深い高岡社長の説明がありました。
第2四半期の好決算に対して下期のやや慎重な見通しへの質問の投げかけを行ったアナリストがお見えでしたが、まさに正論。それに対し高岡社長は下期においては来期以降の成長に向けた戦略的な投資を行うという説明でした。
このままでは来期の業績伸び悩みやダウンが予想されるので、継続的な利益成長のために下期に先行投資を行うというもの。
世界的なガーデニングブームの継続に加え、ローボルトLEDライトの子会社(デジテック)の急成長、DX化の仕掛けの効果、ベジテック拡大、米国の有力企業からの指名買い、ソロキャビンの立上げなど同社を取り巻くフォローの風が株価を押し上げたとは言え、まだPERは13倍台と低い。
来期以降の成長に向け鹿沼での新工場立ち上げやブランド力の向上など相次ぐ積極的な施策を説明して頂いた高岡社長に自信の表情が浮かんでいたのが印象的だった。
こうした足下の好業績だけに胡坐をかかないで将来を見据えた先行投資を自らが得た利益金による余剰資金を用いた成長への取り組みが理解されると評価は変わってくるだろう。
同じようにオークネット(3964)も2Q決算までの好業績を背景に下期は医療関係やEVバッテリー分野などで先行投資を行う予定だと言われる。
余裕のあるうちに先行投資して来期以降の成長に備えることになる企業は継続的な成長が多いに期待される。
企業のこうした取り組みをネガティブに見る必要はまったくなく、株価は上昇した点だけを捉えて利益確定売りに一気に下落したり、些細なことに目が行きやすい投資家のネガティブ評価に影響を受けやすい。
継続的な成長を行うための先行投資ができる企業こそ長期的な評価の高まりが継続することになると本コラムでは強調したい。
そうした視点で今一度企業を評価してみてはいかがだろうか。
但し問題はどういうところに先行投資するのかという点でもある。
投資家としても細かく見ていく必要もあると考える。
(炎)
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