1年の締めくくりとなる師走を迎えて多忙な日々を送られている皆様には株式相場の現状をどのように御覧になっているでしょうか。

 コロナショック後の株式相場は上昇トレンドの中にあることは否定できませんが必ずしも皆様の運用が順風満帆ではないことは明確です。上がったり下がったりの変動を見せる一筋縄にはいかない相場に対してどう対応するべきか悩ましいとお感じになっている皆さんも多いかと思います。

 とりわけ11月から12月は年末特有の投資家心理に包まれることになり、師走特有の株価変動に悩みも尽きません。あれだけ人気を集めた銘柄が見事に調整の動きを見せ、これでもかと言わんばかりの売りがやや元気のないネガティブな印象が持たれる銘柄に押し寄せたりします。


 直近では今年1万円台乗せを果たしたソフトバンクグループ(9984)への売りが止みません。ビジョンファンドで世界のAI企業に投資するとして積極的な経営を推進してきた同社の株価が高値から半値以下に落ちてくるとは思いもよらなかったという方もお見えでしょうし、投資会社のリスクからは当然だと思われている方もお見えになると思います。

 今回は中国共産党による同社の主力保有資産となっているアリババをはじめとしてネットワークインフラ企業への干渉がネガティブな要因となったのはご存知の通り。これに加え配送サービス企業DIDIの問題やアーム株の譲渡問題などのネガティブ要因が今回の株価下落の背景であるが、過去日経平均をリードしてきた同社株のややイレギュラーとも言える下落がここに来ての株式相場に陰を落としている。1兆円の自己株買いをぶち上げて、一旦は株価を持ち直したが、その後は孫社長で損したと言われそうな損につながる株価下落を見せている。

 ソフトバンクグループに限らず株式相場はその多くは現在生じている出来事を横目に評価され株価の形成につながっている。未来を暗いと見るから、売られるのかも知れませんが、そうした評価が果たして正しいのかどうかはわかりません。

 市場参加者の厚みという点ではここに来て薄れているという印象がある。
 それは月間のIPO数が33にも及ぶIPOラッシュによってもたらされているのかも知れません。

 企業の内容など無視しての機械的な換金売りに押されている一方で積極的な買い意欲が薄れているように思われるのは筆者だけではないだろう。


 ここでは市場での評価による株価だけに関心を持つのではなく、できれば企業のもつ潜在能力や世の中を変えるだけの技術力、経営力などに焦点を当て、中長期の成長性を評価する投資家がますます増えていくことが求められているように思われる。

 まだまだ不安感の残る師走の株式相場の中で初めて株式投資を行う若い投資家もお見えになる筈。
 そうした皆さんに私はこれからポジティブな投資のヒントをお届けしたい。


(炎)


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