YCC撤廃を想定したポジションが裏目になった投機家。
米国であれだけ金利が上昇したのに、ことの顛末は銀行株の暴落。
つまり、金利が上がって、銀行株は世界的に暴落した。
金利上昇で銀行株買いという非常に安易な連想ゲームのコストは高くつきます。
今月の米国市場では銀行株が大幅に下落。ディフェンシブ・グループが上昇。FEDの措置を受けて金融引き締めの手が緩むとの見方から利上げ観測が急速に後退し、金利が大幅下落したことがテクノロジー株の追い風となった。
わたしたちは、短期の金利プレーをしているわけではなく、投資をしているのです。
投資とはよりよい社会に貢献するもの。
ゼロカーボンに積極的に関わることのできるグローバル成長企業を後押しするために投資をしているのです。
日本が世界に貢献できる競争優位が認められる分野、CDMO、半導体材料、製造装置、機能性食品や基礎化粧品、都市開発、省エネ・低消費電力関連など。
海外における飛躍が期待できる企業群を元気にすることです。カーボンゼロに向けて仕事が山積み。社会に膨大な潜在需要が存在している。
人々が前向きになっている。
高度人材やリーダー人材への需要はひっ迫している。
もう少し長い潮流をみれば、AIが単なる検索機能だけではなく、人類の相談相手になることが確実な情勢。これをAIの濁流と名付けた人がいたが、AIが仕事を代替してくれる素晴らしい時代に入った。
仕事の生産性は各段に上がり、テクノロジーはこれまで以上に加速する。
最終的には仕事はAI&ロボットに大半を任せられるか協調して働く時代がくる。
多くは崇高な人格者になっていくであろう。
AIやバイオの力を借りて燃料や食品をつくるなど、神の領域を人類は開拓していくだろう。
そのような時代の変遷に耐えうるポートフォリオでなければ厳しいだろう。
1年単位でテーマが変わるようなものを追いかけていれば、今回の銀行株の顛末を投機家は繰り返すことになる。
たとえば、当局が、預金は保護されます!と宣言するとする。
それを聞いた人々は、「やれやれよかった!!!ありがとう当局!」というのだろうか??
もちろん、違う。
「え??預金が危ないの??保護しなければならないほど銀行経営が悪化しているのか?倒産しそうな銀行に預金を預けておいてよいのか?」と思ってしまう。それが大衆心理と呼ばれる投機家が利用しようとする相場の濁流だ。
今月に入って、多くの方々が、ひとつやふたつの銀行がつぶれたところで、全体への影響は軽微だといった。
確かに、その通りだ。
だが、それはすべての株が大丈夫だということにならない。
世界観は相応に変わっていることに気が付かなければならない。
つまり、新興株バブルは完全にはじけて、かつての日本の2005年のような状況は終わった。
マザーズ指数が2800ポイントになったクレイジーな状態が米国でもあったが、その狂気はようやく終わった。
米国起業家のパーティは終わったということで、ましな社会になったということ。
つまり、よりよい社会への一歩が始まったのではないかとそう思っている。
(NPO法人イノベーターズ・フォーラム理事 山本 潤)
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