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企業理念とビジョン
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企業理念とビジョン

2023-04-28 18:04


     企業は自らの特徴や理念、ビジョンを端的に示すキャッチフレーズを投資家にアピールしようとします。その簡単に言葉で言い表される企業の方向性がとても重要だと感じておられる投資家の皆さんも多いかと思います。

     例えば、ソフトバンクグループ(9984)は「情報革命で人々を幸せに」を掲げており、サブタイトルには「世界の人々から最も必要とされる企業グループへ」としています。

     各企業のサイトを見ると1ページ目に必ずと言って良いほど、こうした理念やビジョンが示されています。

     各企業から発信されてくる重要なメッセージを関係する投資家や取引先、就職希望者、従業員などのステークホルダーが受け取ることで共感を持ってビジネスに取り組むことができるので大切なことであろうかと思われます。

     投資家の皆さんは日常の株式投資でそうした企業の理念やビジョンについてはあまり考えておられないのかも知れませんが、今一度そうした企業の理念やビジョンをご確認頂ければ幸いです。


     ちなみに以下はどの企業のものかおわかりでしょうか?
     いずれも筆者がフォローしてきた企業が掲げているビジョンや特徴、理念などを示すキャッチフレーズです。


    1.プリント×ITで起こす、イノベーション
    2.教育に変革を、子どもたちに生きる力を
    3.ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させる
    4.テクノロジーで未来への加速度をあげる
    5.あしたの流通を創造する
    6.地方創生に発想力と実現力を
    7.日々創造
    8.創造の力で、豊かな時を
    9.最高の“時”で、明日の世界をつくる
    10.ネットを空気に変える


     1についてはプリントという言葉からして印刷企業ということはお分かりかと思います。
     但し、単なる従来の印刷企業ではなくIT技術を駆使した革新的なビジネスを目指している企業だと考えられます。

     答えは個人や企業向けにオンデマンドプリント事業を展開する昨年3月にIPOしたイメージマジック(7793)です。同社は昨年3月のIPO以降株価が大きく値下がりし、本年1月には698円という安値をつけてしまいました。大口取引先企業の売上ダウンが同社の業績にも影響し下方修正となったことが背景になっておりますが、その後は2000円台まで戻るなど大きく変動しています。
     中長期成長のイノベーションの可能性と目先の業績停滞へのネガティブな評価とが株価の強弱感につながっているかと思われます。


     2については教育関係の企業であるとわかります。
     これはすららネット(3998)というオンライン学習教材の会社で低学力の子供向けの学習教材を展開しています。不登校の子どもが最近増えていると言われますが、そうした子ども達に向けたこれまでの学校教育では実現できないようなオンラインでの学習システムを提供するのが同社の役割です。
     同社株もコロナ禍でオンライン教育やGIGAスクール構想がクローズアップされて株価は9000円以上へと大きく上昇。現在はその反動で株価低迷していますが、本当に教育を変革できれば株価はまた高く評価されるものと期待されます。


     3については2011年に設立された企業のデザイン支援を行うグッドパッチ(7351)という会社です。
     2020年6月にIPOしたのですが、直近までコロナ禍の影響もあってドイツでの海外事業がうまくいかず、全体の業績も停滞していましたが、先般からようやく回復の兆しが見え始めました。サイバーエージェントとの資本業務提携にも至り、世界に向け飛躍しよういう意欲が感じられます。


     4についてはテクノロジー系の企業だとわかりますが、これだけでは一体どの企業なのかはわかりません。実はファブレス半導体メーカーでグラフィックLSIのアクセル(6730)が掲げるビジョンなのです。とても成長への意欲が感じられるキャッチフレーズです。
     現に完全自動運転用のチップを開発したとのリリースを行うなどいよいよ遊技機だけに頼らない新分野の事業が始まるとの印象が持てます。
     同社株は昨年半ばに780円前後の低迷状態が見られましたが、その後は業績の拡大を背景に2000円台まで評価を高めていました。


     5の企業もこれだけでは何の会社かわかりません。小売業のような印象もお持ちになったかも知れませんが、これは実は中古車やスマホ、ブランド品などのアイテムを対象にしたオンラインオークション会社のオークネット(3964)が掲げるビジョンです。
     循環型経済を構築するためのシステムをもって新たな環境に良い流通を構築しようというのが同社の目指すところです。この社会貢献型の企業への評価が最近落ち込んでいるのを見ると残念に感じます。


     6については地方創生を図るためにビジネス展開を行っているサイネックス(2376)のミッションとも言うべきキャッチコピーです。
     地方創生をテーマにしている同社の株価はさぞかし人気化して上昇しているだろうと思いきや反対に低迷状態。何が原因で低迷した状態なのかはよくわかりませんが単純に地方自治体のことには関心を寄せても投資家のことは考えていないためなのかも知れません。
     かつて2619円という高値もあったのに今は565円などという水準に甘んじています。


     7は知る人ぞ知る日創プロニティ(3440)が掲げるミッションであり、これとともに加工の総合商社を標榜している点も付け加える必要があります。 同社は先般、M&Aにより新たに合計5社をグループに入れました。後継者難の中小企業を対象にしたM&Aで「日々創造」を推進することで事業規模を拡大させていく考えです。


     8と9は時という言葉が入っており同業種の企業でありますが8には創造という言葉が入り、幾分趣を変えたビジョンとなっています。
     実は8は日本テレビHD(9404)で9はTBSホールディングス(9401)の掲げる経営理念です。どことなく似ていますがテレビメディアならではのビジョンと言えます。


     最後の10はネットに絡んだシステム開発企業だろうと思われますが、この答えは皆さんでお考え下さい。


    (炎)


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     です。

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