百花繚乱の株式市場。好業績だから買われる訳ではなく業績が赤字でもどんどん売り込まれる訳でもなく、個々の銘柄ごとに様々な値動きや評価が見られます。

 株価の位置は歴史的安値からどこまで上がったのか、直近安値からどこまで上がったのかなどで位置が確認できます。

 現状が低PERだというのはたとえ株価が上昇傾向にあるとしても評価では低水準に放置されているとも言えます。
 現在700円台という株価水準にあるA社は今期経常利益が8割もの増益が見込まれるなど好業績銘柄の代表的存在です。PER4.9倍、実績 PBR0.59倍、配当利回り3.2%、配当性向16%であれば、自然体で買いが入ってくる筈なのですが、今のところ人気化する兆しは感じられません。
 現実に低PER銘柄でもなかなか株価が上がらないのはどこかに問題があるものと推察されます。この問題点がクリアになれば株価は上昇に転じることになると考えられます。
 消費財販売の事業モデルのA社の場合は来期の業績への不安があっての株価停滞と考えられますが、この点がすっきりすれば株価は一気に反転上昇に転じると期待されます。

 株式市場では企業価値を様々な尺度で測り評価をしています。
 成長性のモノサシとしてはPER、バリュー価値としてはPBR、更には配当金に対しての配当利回り、この3つがコアですが、EBITDAなどキャッシュフロー面も見逃せない評価のモノサシです。

 PERが低くても来期の展望が不透明な中での積極的な投資は難しい。その結果が低評価につながっていることがA社の問題点です。それでもA社は時価総額 が100億円以上あって特別利益などの計上がない企業としては目下のところ日本の株式市場でトップクラスの低PER銘柄だという事ができます。
 A社は直近のファイナンス、積極的な先行投資の結果が評価されています。直近のファイナンスが株価の頭を抑えていますが、今期の予想経常利益65億円の企業の時価総額が180億円しかないのはよほどの問題を抱えているのかも知れません。
 そうでなければ株価は割安ですのでポジティブに評価されるのではないかと思われます。もしかしたらライバル類似企業の業績停滞も影響しているのかも知れ ません。株価の上昇タイミングは来期の業績が更に伸びるかどうかにかかっていますが、全体相場の反転局面こそ活躍の素地がある銘柄かも知れません。

(炎)

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