リーマンショック以後これまでは、優良・成長企業を充分な「安全余裕率」を持って買うことは、それほど難しいことではありませんでした。しかし、最近は新規の投資企業(銘柄)を見つけるのに、あれこれ考えなければならないことが多くなりました。
また、以前お話したように、バフェット(バークシャー)の運用成績が5年にわたってS&Pを下回っている(つまり米国市場は過熱している可能性が高い) 状態ですし、共産主義中国、南北朝鮮、ロシア、ウクライナ、イラク、アフガニスタン、そして過去の債務問題が蒸し返されているアルゼンチン等、日本の外で の不安要因は数えきれません。
ですから、例えば中国の崩壊や南北朝鮮の消滅などこれらの不安要因のいくつかが現実化するまでは「待ち」の姿勢が基本です。無理に少ない安全余裕率で高値を追いかける必要はありません。
ただし、個別企業の要因で株価が下落したチャンスを見逃す手はありません。その際に、「悪材料」に立ち向かって買うためにも、日頃の企業(銘柄)研究は欠かせません。
私も、有望企業発掘の努力はこれまでどおり行っていますが、有望企業・優良企業を見つけても、ほとんどの場合「定価」あるいは「定価以上」であって、「定価よりかなり安い」という「安全余裕率」の基準を満たす銘柄は滅多に見つかりません。
超優良企業が「こんなに安くていいの?」というような大バーゲン価格で売られていたリーマンショック直後とは様変わりです。
しかし、まったく「安全余裕率」の基準を満たす優良企業が存在しないわけでは無いので、海外情勢には十分注意しながら、チャンスがあればそれらの企業に少額の投資をしています。
もっとも、本命は現在は株価が高すぎて手が出せない「本格的優良企業群」です。これらの企業の株価も、米国での株価暴落や、前述の国々の崩壊が起こればつれ安となる可能性が高いので、その一瞬のチャンスを確実につかむべく準備を進めています。
ただし、念のため、東京オリンピック終了5年後の2025年まで、日本経済は順調に発展すると考えているので、現在保有している優良企業群を売却する気はまったくありません。
(大原浩)
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