29日(水)は、米株高や円安、9月の鉱工業生産指数速報値が市場予想を上回ったことなどを好感し、日経平均株価は224円高。30日(木)は、米 FRBの量的緊急緩和第3弾(QE3)終了決定(29日)による米景気への安心感などから104円高。31日(金)は、30日に発表された米国の14年 7~9月期実質GDP速報値が年率換算3.5%増と予想を上回ったことを好感した米株高に加え、後場に入り、日銀が追加緩和を決定したこと、年金積立金管 理運用独立行政法人(GPIF)が株式組入れ比率を高めるとの報道(31日大引け後正式発表)などを好感し、755円高となりました。終値1万6413円 は約7年ぶりの水準、31日の上げ幅755円は6年ぶりの大きさです。
17日の本コラムでは、 「米国の景気、国内企業の決算などを見極めながら、株式相場は来週以降、徐々に落ち着きを取り戻すと思います。GPIFの運用改革、日銀の追加緩和、政府 の経済対策など、株式相場に大きく影響を及ぼす措置は、未だ発動されていません。」と述べました。これらの措置は、消費再増税の決定に向け、年末にかけて 発動されるとみていましたが、このタイミングで、しかも一挙に実施されたことは、正直なところ意外感がありました。
「マーケット対策」としては水際立ったものといえ、ポジティブサプライズから、ヘッジファンドなどが買戻しを急ぎ、大幅な株高、円安をもたらしました。
31日は国内企業の中間決算発表がピークを迎えましたが、概ね順調な推移といえます。連休明け以降、相場全体の買戻し一巡後は、直近の業績動向、株主還 元に対するスタンス、消費再増税後においても業績拡大を継続できる収益力など、より個別銘柄に注目する展開を予想しております。
(水島寒月)
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