2016年から予定されている電力自由化計画が経産省を主体に推進されています。各家庭では既にスマートメーターへの取り換えが始まっているとされますが、電力自由化で世の中はどう変わっていくのでしょうか。

 電力自由化(または電力市場の自由化)とは、従来自然独占とされてきた電気事業において市場参入規制を緩和し、市場競争を導入することである。電気料金の引き下げや電気事業における資源配分の効率化を進めることを目的としている。(ウィキペディアより)


 電力自由化によって起きるビジネスの変化としては、

1)誰でも電力供給事業者になることができる(発電の自由化)
2)どの供給事業者からでも電力を買えるようにする(小売の自由化)
3)誰でもどこへでも既設の送・配電網を使って電気を送・配電できるようにする(送・配電の自由化)
4)既存の電力会社の発電部門と送電部門を切り離すことで競争的環境を整える(発送電分離)


【電力卸売市場の整備】

 既得権に守られてきた既存の発電事業者(東電、関電など)にとっては大きな変化が求められていますので言うまでもないですが、これから発電事業に参入する企業にとってはビッグチャンスです。
 既にソーラー発電は売電制でソフトバンクなどが市場に参入していますが、鉄鋼や化学など大手企業が持つ自家発電施設を活用すれば原発の数基分が賄えるとされますので原発の再稼働が予想される中で、その是非が問われる可能性があります。
 神戸鋼などは神戸市に供給する大手電力会社にも実質的になっているとのことです。このところの株価上昇もうなずけます。

 このところの原油安でエネルギー価格の低下でガソリン価格も低下し円安を相殺していますが、これからまた価格が上がる可能性もあります。今回の下落は米 シェールガスの価格に対応したものだと考えられますが、市場での発電コストは多種多様な発電装置の登場で更に引下げの動きに向かうものと考えられます。

 例えば、耳慣れないかも知れませんが重浮力発電装置(水力発電の一つ)では10円/kwhで発電ができると言われていますし、超小型原子炉による発電では4円/kwhとも言われています。

 このほかガス発電装置なども非常用以外にも用いられていく可能性があります。

 既におなじみの燃料電池発電やバイオ燃料などを用いたバイオマス発電などが今後も登場して私たちの暮らしの中に入ってくるかも知れません。

 ソーラーや風力発電以外にも自然エネルギーによる発電装置の開発は各方面で進んでいるものと見られます。

 そうした様々な装置をつなぐシステムが今後求められるということで、先日訪問した社会インフラシステム開発会社、アドソル日進やスマートメーター関連の 大井電気などの業績堅調が目につきます。電力自由化による恩恵はこうした新たに活躍が期待される企業でこそ大きな変化となって表れるものと見られます。

(炎)

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