有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を再編集して毎週掲載いたします。自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
 なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。


=「インカム・ゲイン狙いで絶対不敗の状況を作り出しキャピタル・ゲインで大きく増やし一部を勝ち逃げさせる」=
  (有料メルマガ第282回・2014/6/17配信号)

※注 2014年6月現在の内容ですので留意下さい。

【前略】

 私は株で大きく利益を上げることが出来た時に、株より資産増加のスピードが遅いと思っても、資産分散の一環として将来の収入を安定的に増やすために、いろいろな投資商品に株で儲けた資金をシフトしてきました。

 私の運用資金は、いろいろな資産を動き回っているのですが、今の時点で総括するならば、株で自宅を購入し、ワンルームマンションを買って、ゴールドも買いました。私設年金の資金も株で作りました。

 株式投資で大きく稼げた時に、株から資金を他の資産にシフトすることは、いわば『勝ち逃げする』ということです。

 1985年の1月に株式投資をスタートし、新米投資家の段階でブラック・マンデーという強烈な大暴落に遭遇しました。その後も多くの暴落にあって生き抜いてきて、自分の株式投資のスタイルを見直してみて気が付いたのが『勝ち逃げスタイル』という姿でした。

 そのように株から勝ち逃げした資金でシフトした金、預貯金、賃貸不動産、年金という資産の中で、どの資産が安全度と安心度が高いか再評価を行いました。

 そして特にキャッシュを生み出して老後生活を支える資金源として株、年金、賃貸不動産という私の3本柱の収入源を比較して評価すると、年金が安定度も安心度も圧倒的に優れているという結論に達しました。

 私自身としてはやむにやまれぬ無念の選択で、副業(=会社勤め)をやめて専業投資家という道を歩き始めたわけですが、このコラムで再三述べてきたように、60歳までサラリーマンを続けた人が、いわゆる年金長者という成功者で勝ち組だと考えています。

 去年は株で1億円以上の資産を作り上げた人のことを『億り人』とマネー雑誌が称賛することがありました。

 しかしサラリーマンを60歳まで勤めあげ、厚生年金や企業年金、私設年金を積み上げてきた人のほうが、より安定的で質の良い老後の収入源を作り上げた年金長者だと思います。

 例えば株で1億円作れなくても、各種年金の合わせ技で、夫婦二人で毎月40万円の年金を獲得できたならば、株で1億円稼いだことよりも大きな成果を得たことになると考えています。

 1億円を現金に換えて、毎年480万円ずつ使っていくと20.8年でゼロになってしまいます。

 サラリーマンを60歳まで続けて厚生年金や企業年金、私設年金で、生きている間は永遠に毎月40万円の年金額をゲットできた人は、株で1億円稼いだ人と 比較すると60歳から81歳まで生きたらトントン。更に長く生きたら毎年480万円ずつ株で1億円稼いだ投資家に勝っていくことになります。

 しかも何のリスクも労力も伴わずというところが素晴らしいです。何もしなくとも黙っていてもキャッシュが入ってくるわけですから。

 60歳までに株で1億円稼いだら、その後も株で稼いで増やすことは出来ると思います。私も年金をフルで貰えるようになるまでは、株式投資で稼いでいく覚悟をしています。

 しかし株式投資にはリスクがつきまといます。どんなに自分が努力しようとも世界のどこかで戦争が起こったり、テロが起きたり、自然災害が起きたりすれば、あっという間に自分の努力など吹き飛ばされてしまう可能性(=リスク)が存在しています。

 年金といえども日本が破綻すると、もらえなくなる可能性が無いわけではありませんが、株式投資において毎年起こるような危機頻度と比べれば無いようなものです。

 だから株で1億円稼げなかったとしても、それなりに大きく稼げた時は、その中から一部をキャッシュに換えて私設年金などにシフトしていくのが老後の安心を作る良い方法だと考えています。

 また、いま現在サラリーマンの方は、とにかく60歳までサラリーマンを無事に勤め上げることに全力を尽くすことをお勧めします。

 サラリーマンを60歳まで続けることが出来た人にとっては、株式投資など余技としてたしなむ程度に行えばよいものであると考えています。

 私にようにサラリーマンを60歳前に脱落した人間は、必死で株式投資などの相場商品で稼ぐ努力をする必要があるのです。しかも60歳を過ぎてからも、この努力は続きます。

 まあ、人間考えようだと思います。好きこそものの上手なれで、株式投資を楽しみながら株で毎年安定的に利益を上げることが出来たら万々歳です。でもいろいろな意味で相場商品での運用はリスクとストレスが舞い降りてきます。

 株で大きく稼げた時は、それなりの満足感と高揚感はありますが、サラリーマンとしてチームで幾多の困難を克服して仕事で大事業を成し遂げた時の喜びとは比較しようもないほど小さなものです。

 しかも株で稼げた時の高揚感は一瞬で去り、次の瞬間からまたリスクと向かい合ったストレスフルな時間がやってきます。

 だから年金収入は何としてもできるだけ多く取れるように努力することが大事であり、株で稼ぐ努力より年金確保の努力を、優先して行うべきだと考えて、甥っ子などにはアドバイスしています。

 私が老後の安心を作れた最大のコンセプトは、株式投資で大きく稼げた時に、株から資金を他の資産にシフトすること、いわば『勝ち逃げする』スタイルをつらぬけたことでした。

 毎年1回は大きな下落がやってくるならば、その下落を利用して、そのリバウンド相場を取って株でしっかりと利益を上げて、株で大勝ちした時に、欲張らずに大勝ちした株から勝ち逃げして、その資金で自分が長い老後をホッコリと安心して暮らせる状態を構築していく。

 今年の前半は去年と比べて、本当に厳しい相場環境が続いた日本の株式市場でした。しかし、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用改革の『先取り』と、『本番』がこれからやってくると期待されています。

 ここで踏ん張って利益を上げて、その資金の一部を勝ち逃げさせる。こんな勝ち逃げスタイルを身につければ、誰でも着実に老後の安心が作れると思います。そのためには、稼ぎやすい銘柄を発掘することが必要だと考えて、銘柄研究を続けて行きたいと思っています。


経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎

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 本日配信の有料メルマガでは、財務内容が良く、積極的に海外に生産拠点を新設しており、低PERかつ低PBRである上に、円安の恩恵を享受でき、業績が順調に伸びることが見込まれる企業を、研究銘柄として掲載しています。
 また、コラムでは、「株式投資で利益を上げるためには、株価が上げやすい投資環境にある時に、投資家の資金が集まりやすい(=その企業が儲かって業績を 上げる)と誰もが考える銘柄に投資を行うことである」と題し、株式投資で稼ぎやすい環境下で、どのようなポリシーで投資を行ったらいいか、30年の経験か ら言及しています。さらに、注目すべき銘柄を4つほど挙げて解説しています。
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