週初の8日は、前週の米国の雇用統計の改善・株高を受けて7営業日連続で上昇。ただ、週央からは中国、欧米など海外の株式相場の反落、円高を受けて大幅 に調整しました。12日(金)は4日ぶりに反発。株価指数先物・オプションの特別清算指数(SQ)算出も無難に通過しました。
株式相場は順調な上昇が続いたことで、過熱感が生じていましたが、今週の大幅な調整で、東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)も109.13(12 日)も低下するなど短期的な調整一巡感が出ています。SQが通過したことで、海外のヘッジファンドなどの年内のポジション調整もほぼ一巡したのではないで しょうか。
総選挙の終盤戦も与党が優勢に戦いを進める構図に変化はありません。米国の景気は、11日に発表された11月の小売売上高が前月比0.7%増と市場予想 (0.4%増)を上回るなど、好調を維持しています。来週16~17日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)での「経済・金利見通し」が注目され ますが、政策金利の引き上げに向け変化があるようですと、米金利の先高感が台頭、為替市場でドル・円安が再度進行する可能性があります。
先週も触れましたが、与党が「大勝」することで、内需拡大に向けた政策が強化されることは十分に考えられます。15年度に向け、自動車、電機・精密など外需型製造業の業績上方修正に加え、内需系の非製造業の業績も上向くことは十分に考えられます。
原油価格が1バレル=60ドルを割り込みましたが、オーバーシュート気味といえます。ただ、サウジアラビアが本格的に「シェア確保」のための「闘い」を 開始したことで、かつてのような100ドルを超える水準は望み薄といえ、中期的には80ドル程度の水準に収斂していくものと思われます。
いずれにしても、原油安は先進国経済・企業にとっては、コスト低減につながる好材料です。この点でも、15年度以降の企業業績の押し上げ要因となります。
総選挙終了から年末にかけ、株式相場は調整が続くとの見方が多いようですが、そうなった場合には、絶好の押し目買いのチャンスといえましょう。
(水島寒月)
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