今週(3月16~20日)の東京株式市場は、6週連続の上昇となり、週間で306円、率にして1.6%の上昇となりました。

 一般的に、「120を超えると買われ過ぎの水準」とされる騰落レシオ(25日移動平均、19日)は126.29と依然高水準ですが、欧州中央銀行 (ECB)、日銀の量的緩和の推進に加え、米連邦準備理事会(FRB)の利上げも秋以降にズレ込むとの見方が優勢になるなど、緩和的な金融情勢を背景とし た流動性相場となっています。

 17~18日に開かれたFOMCでは、「忍耐強く」の文言が大方の予想通り削除されましたが、同時に、金利・経済見通しが下方修正されました。インフレ 率予想はドル高と原油安を背景に、15年1.3%→0.7%、16年1.85%→1.8%と修正されています。このため、市場ではFRBの利上げペースが 緩やかになるとの見方が台頭しています。


 国内では、18日に春闘の集中回答日を迎えましたが、15年のベースアップは昨年を大きく上回る勢いを示しており、今年の民間企業の賃上げ率は2%台後半に達し、1997年以来の水準に達する可能性が高くなっています。

 ヤフー(4689)や三菱電(6503)の増配発表なども株価上昇の支援材料となりました。賃上げ、増配は企業側の自信を表すものとして、今後も好意的 に受け止められるでしょう。当面、国内には弱気になる材料はなさそうですが、相場が調整含みになりますと、ギリシャ情勢、中東情勢、一部新興国の景気の弱 さなどが気になってきます。


(水島寒月)

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