投資家にとって買いと売りどちらが難しいのか?と問われたら皆さんの多くは売りだと答えられるかも知れません。

 株式投資ではお金を投じるのは案外簡単に行うのに、売却するのは結構考え込む投資家が多いように思います。
 売りが難しいのは売った後の株価変動が激しいためかも知れませんが、実際には買いも売り同様に本来は難しいものだということを知って頂きたいと思います。

 日本では大学の入学試験が難しいのに卒業が簡単だという言い方をしますが、株式投資もこれと同じことなのです。ただ、海外では入学は簡単だけど卒業が難しいということがあります。

 株式投資も本来は投資する前に十分に研究を重ねてから投資していれば売るのも簡単。ただ、研究した思い入れのある銘柄を簡単には手放しません。つまり長期に持てることになります。
 投資した株を短期で安易に売ってしまうのは十分に研究をしないで投資したからではないでしょうか。

 とは言え、株式投資は一定期間保有してから売却をするのが一般的です。同じ銘柄を10年もの間保有されている投資家があるならそれは資産株として最初から決めてあるからかも知れません。

 トヨタ(7203)やホンダ(7267)、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、村田製作所(6981)、ファナック(6954)などがそうした資産株と捉えられているかと思います。

 日経平均が2万円台乗せ目前となる中、こうした資産株が強いのは持っている投資家が株を売りたくない心境になるからかも知れません。投資家はお金が何ら かの理由で必要になった場合、長年持ち続けた資産株を売却したりしますが、資産株はともかく売買を重ねながら資産形成を図る多くの投資家にとって究極の投 資はブルーチップと称される優良成長株を長期保持することに尽きます。

 大震災からもう4年を経て、あの頃に投資した銘柄は既に熟れてきているのかも知れません。東京オリンピックまでの5年間に更に成熟していく優良株も登場し皆さんの資産形成に貢献するに違いありません。
 利益確定のベストタイミングは銘柄が上がったからではなくもしかしたら売りたい理由ができた時なのかも知れません。

(炎)

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