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不透明感が漂います
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不透明感が漂います

2015-04-06 11:50
    最近の金融市場にかかわる論調で気になるものとして、「どこまでドル高が容認されるのか?」と言う発言が徐々に増えつつあると感じることです。


     以前にも書きましたが、昨年10月末の黒田バズーカ第二弾の際、日銀による、
    1)発行される国債全てを買い取るほどの日銀買入れ
    2)日銀の3兆円を上回る株式(リスク資産)購入に留まらず公的年金も株式組み入れを増やし、外国株及び債券を買い増すなどの合わせ技
    3)米国の利上げ示唆のニュース等々・・・
     特にこの3大ニュースをもってしても121円/ドルまでしか円安が進まなかったことが未だに気になっています。

     複数のエコノミストが一層の円安を示唆する中で先日は瞬間的に122円を付けましたが一時的なものでした。最近の論調を踏まえればもっと(例えば130 円とかの)円安に振れそうなものですが、落ち着くと直ぐに110円台に戻してしまいます。つまり、円ドル為替はもう随分先まで織り込んでしまったのではな いかとも感じるところです。


     新興国通貨もこの半年間で随分と売られましたし、米ドルの実質実効レートも20%以上ものドル高に振れています。

     中東を中心としたテロや紛争などの拡大、中国や新興国の景気鈍化、米ロの対立と中国の台頭、ギリシャ(=ユーロ)の不安定化・・・等々、景気面だけでは なく、確かにドル高の理由は探せば沢山ありますが、今は誰もが当たり前のようにドル高を語っているところが、何となく「嵐の前の静けさ」的なものを感じま す。


     国内株式市場は強気と言いながらも上がっているのは指数採用の値嵩株や、増配や自社株買い、M&Aなどの材料が出た銘柄が目立つ程度で、一般投資家を含めて万遍なく利益を得ている印象はありません。

     個別銘柄については、決算発表までのこれからの一か月間はこれと言ったニュースが出そうもなく、しばらくは株式市場に期待するのも怖く感じます。全体が動き辛い中で昨年から売られ続けてきた中小型株や振興市場銘柄が個別に物色される風の流れが続くのではと考えています。


     前回のコラムでも書きましたが日経平均20,000円と言ってもあと数%です。しかもその日経平均ですら指数としての連続性を失っている指標ですから、この値上がり値下がりに一喜一憂する必然性はありません。ここから先は暫く慎重にと考えている次第です。


    (街のコンサルタント)


    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)
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