今週(5月11~15日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で353円、率にして1.8%上昇しました。

 8日に発表された米国の4月の雇用統計が市場予想通り堅調であったことで米国の景気の先行きに安堵感が広がったことや、中国の中央銀行である中国人民銀行が14年11月以来3度目の利下げに踏み切ったことなどが好感され、買いが優勢となりました。


 大幅な減資を公表したシャープ(6753)、インフラ工事を巡る不適切会計問題が発生した東芝(6502)など伝統的なハイテク企業が大きく売られましたが、好業績見通しや株主還元の強化を公表した銘柄がすかさず買われるなど、市場の物色意欲は旺盛です。
 期初特有の保守的な業績見通しを公表する企業も多く見られますが、年度が深まるにつれ、増額修正が視野に入ると予想します。


 米国の景気が個人消費を中心に堅調に推移していることに加え、欧州の景気が回復してきました。中国の景気は減速傾向が続いていますが、東南アジアの景気は年後半に向け緩やかに回復に向かう見通しです。
 国内の景気も、消費増税の影響が薄れるともに、設備投資、輸出が増勢に向かいつつあります。これらを背景に国内企業の業績は、前年度比で2割近い営業増益が見込まれるものとみています。


(水島寒月)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)