• このエントリーをはてなブックマークに追加
変われない市場運営
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

変われない市場運営

2015-08-21 12:04
    本日(18日)の「給食費未納の家庭に対しては児童手当から差し引く」との日経記事がありましたが、先進国と言う割には何ともお寒い記事と感じました。相 変わらずの役人発想的対症療法と言いますか・・・、まあ、縦割り予算と省益に縛られる彼らを非難する訳にもいきませんが。


     義務教育とは(大人が)子供に教育を与える義務があるという意味です。給食費を払えない家庭も考慮しなければなりませんが、払える経済力があるのに払わない親も増えていることからこのような記事となったのでしょう。
     教育の意味を履き違えている親も多そうですが、何とも淋しくもあり情けない記事と感じた次第です。


     それならいっそのこと毎月給食費を徴収するなどと言う古風なことは止めて、全額公費負担にしてしまえば給食費を払えないことで後ろめたさを感じる子供も いなくなるし、徴収にかかる負担や経費も減るし、何より義務教育と言う名のもとに、子供への食の教育くらいは平等を目指せるのではないでしょうか。


     小学1年生から中学3年生までの9学年の合計で1,000万人程と思いますが、一人当たり月額5,000円として年間6,000億円になります。
     国が全国平等に行うべき最重要な教育行政なのに、上述のような重箱の隅をつつくような手続き論に終始していることが残念でなりません。

     例えば厚労省の持つ70兆円の年金予算から(僅か1%くらいは)子供に廻しても良いではないかと考えるのは私だけでしょうか?
     これならお年寄りも異論は無いでしょうし、ただでさえ毎年数兆円規模で膨らむ社会保障費をいつまでも誤魔化し通すより、こう言った機会に議論を深めるべきと思います。

     ついでに社会保障費の運営に係る年金機構の人件費内訳や、学校職員の配置・配分や職務別人件費の分布なども開示されることが行政として必要と思います。何せ全額血税で賄われているのですから、隠す筋合いのものではありません。

     子供達を縦割り行政や票格差の犠牲にしている場合では無く、新競技場の建設予算壺にみんなで手を突っ込んでいるより遥かにマシな議論・施策になるはずです。



     ところで、今週の経済紙が記事で「村上ファンド」を取り上げていました。

     現在の運用会社ではお嬢様が社長をしておられるようですが、実権も実務運営も村上氏ご本人がしていらっしゃると思います。その主張は至極真面であり、しかも主張の仕方は相当控えめ且つ丁寧な言い回しをしています。

     日本の資本市場を議論する上で筋の通った意見であるのに、これを体制側が真摯に受け止めないからこそ日本国市場において最も大事な国内投資家(特にローカル投資家)が育たないのです。


     PBR1倍以下でキャッシュを貯め込んだまま漫然とした経営をしていれば買収されても止むを得ないはずです。
     資本を得易くする見返りとして株式を市場に晒している上場企業なのですから、資本の論理を通されても文句を言える筋合いではないのに、意味不明の御託を並べて買収を阻止しようとし、同時に法の番人は(相当古い思想により)それらを支援する構図が続いています。


     この市場は発行会社(企業側=財界)の為だけにある市場ではありません。投資家にも平等に運営されねばならないはずです。
     今のような不公平な市場では真っ当な市場参加者は去っていき、残るのはマネーゲームを目的とした投資家ばかりになります。


     昨今見られるように指数ばかりが乱高下し、またネットに何らかのニュースが表示された時だけ瞬時に大きく反応するマネーゲームが続くだけです。

     「やれNISAだ投信だ」との煽り記事には十分に注意して投資していただきたく思います。


     これらの観点からも今月21日に開かれる黒田電気の臨時株主総会の結果を楽しみにしています。


     追加で個人的な感想を申し上げるなら、村上氏やホリエモンが体制側の主力広報機関であるTV会社を買収しようとしたことで無理やり犯罪者に仕立て上げら れ実刑を受け、その一方で日興やオリンパスなど体制側に属していた大企業トップは相当悪質な法令違反を指示し、投資家に損害をもたらしたにもかかわらず全 て執行猶予付きとなりました。米国なら当然実刑です。


     今年の秋にはアローヘッド(東証取引システム)第2弾がスタートします。

     「1秒間に何千回、何万回のトレードが出来る」と言うシステム性能が我々にどれほどの恩恵をもたらすのか疑問ですが、世界の取引所と出来高競争をしなければ東証が衰退する、上場している会社(取引所)として利益を追求せねばならないと言った理由のようです。


     これによってメリットを受けるのはシステムトレードを生業としている海外ファンドや投機的ファンド(システム会社)だけです。

     私のような古い人間にとっては、目にも止まらぬスピードで上下動する株価では如何ともし難いですし、値動きに合わせて売買の板が(ハァ~?と思うほど)頻繁に増減する、まるで違法な「見せ玉」的発注方法にも違和感があります。


     果たして、このように出来高ばかりを追い求めて、且つ発行企業(財界)寄りの市場運営を続けることが市場発展や投資家にメリットのある施策なのか?

     その前にもっとやるべき、そして改めるべきことが沢山あるではないかと考える次第です。


     変わらないと見られれば海外投資家の逃げ足は速く、国内株式市場の下落は厳しいものとなるでしょう。


    (街のコンサルタント)


    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)
    コメントを書く
    コメントをするにはログインして下さい。