11月17日に開催された決算説明会では意外にも不需要期となる下期に入っての月次(10月)売上が大きく回復したとの話もあり、そうした前年と比べた伸びの背景を聞くことができました。
為替に影響されない内需型サービス企業で今後の業績は着実に伸びる可能性があり、こうした株価の大幅な下落があった後の局面で、月次の伸びを確認しながらの投資には賛成です。
今期の業績は書き入れ時の4-6月がやや停滞しました(株価の下落の背景がこれです。)が、その後は徐々に戻り、後半の10月がいきなり14%の月次売上の伸びとなってきた点でなおも期待を残す展開となっています。
通常は新規の顧客を伸ばしながら既存客への更新防除を加えて売上を確保していくパターンですが、今期は新規が消費税増税の影響がなおも尾を引いて、やや伸びが鈍化。その分既存客向けの更新防除や家屋の基礎・補強が堅調に伸びている状況です。
ですから後半は不需要期ということから例年売上が落ちるのですが、今年は昨年後半に落ちた反動もあって、10月が14%増と大幅に伸び、このまま11月-3月と伸び率が確保されるとなれば巻き返しは可能と見られます。
寒い時期はシロアリも活動が鈍くなって表に出なくなってしまい、ニーズは低下しますが、その分は震災後のニーズが高まりつつある家屋の基礎・補修への需要の取り込みが期待されます。
これが前年下期の落ち込みの反動と既存のクライアント向けサービスの伸びにつながり14%もの大幅な伸びにつながったと見る必要があります。
中間期業績は売上高73億49百万円(+3.3%)、経常利益16億53百万円(▲2.2%)。通期は売上高139億円(+9.7%)、経常利益26億 6百万円(+10.9%)を見込んでおり、不需要期の下期が売上高は65億51百万円、経常利益9億53百万円となるには下期の月次売上高平均が10.9 億円となる必要があり、これは多少厳しいのではと思われましたが、10月の売上が11億80百万円となったことで大いに望みは出て参りました。
また、利益も効率性の向上から今期計画業績の達成は可能ではないかと見られます。今期の予想EPS134.6円が達成されるとなれば時価1520円前後の株価水準はPER11倍台に留まっていますので東証1部上場企業としては割安感が強まります。
配当金も40円配当を予定しており、利益成長に応じて増配の予定です。
既に上場後の財務内容はキャッシュリッチな状態となりつつあり、事業モデルからは新規採用増に伴う人件費の増加に備えた戦略とともに更に高い配当性向を打ち出す可能性があります。
同社株には多くの外国人投資家が上場直後から注目しており、上場後の株価上昇につながっています。9月末現在の外国法人持株比率は18%を超えている点 が特徴的です。米国の住宅メンテナンスサービスでは当たり前のようになっているシロアリ駆除サービスですのでそれも頷けます。
日本人が気がつかないことを外国法人は先読みして投資している訳です。
日本での評価はまだ低い状況ですが、政府の中古住宅流通促進策にも組み込まれる要素が強いサービスでもあり、今後の高品質住宅に不可欠なサービスと言えますので、改めて注目しておきたい銘柄です。
【参考】
時価1520円 時価総額187.5億円
高値1970円
安値1307円 下落幅 663円
直近の戻り上限値1557円 戻り幅250円 戻り率37.7%
(炎)
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