2月号連載記事
■ナンバーワン企業の財務・会計戦略
●会計はビジネスの言語だ
例えば日本で暮らすのに日本語が、そして米国で暮らすのに英語が必要であるのと同じように、ビジネスをする上で会計の知識というものは必須です。ただ、 気を付けなければいけないのは、ビジネスマンや経営者に必要な会計の知識は税理士や会計士などの専門職に要求されるものとは全く異なるということです。
例えば、決算書や税務申告書は1円まで数字を合わせるのが当たり前です。
もし、頻繁に数字を間違える税理士や会計士がいたら無能と判断して差支えないでしょう。場合によっては資格はく奪などということにもなりかねません。
しかし経営者やビジネスマンは、まったく逆に細部にこだわることなく、全体の流れをつかむことが大事です。英語の細かな文法を丸暗記しても、英会話はか らっきしダメだという人がきわめて多いのと同じように、会計の細かなルールを丸暗記しても経営・ビジネスの実務の判断に役立つわけではありません。
ただし、松下幸之助が財務・経理部門を極めて重視したように、会社の経営状態を把握し次なる成長のための資金を供給する財務・経理部門が、企業の神経系が集中する「頭脳」であることは間違いありません。
●企業はいつも投資している
バフェットは、「世界有数の名経営者」としても有名ですが、バフェットの行っていることは、基本的に傘下企業の余剰資金を親会社であるバークシャーに集中し(資金を拠出する傘下企業には十分な金利を支払います)、その資金の再配分を実行することだけです。
バフェットが行う投資は、M&Aなどの世間に騒がれる部分だけではありません。工場を新設するのか?新卒の新入社員を何名採用するのか?(終身雇用を前 提にすれば、新入社員一人への投資は数億円規模になります)広告費をいくら使うのか?など、日常的に投資の判断を行っており、その成否が企業の将来を左右 するのです。
もちろん、投資には二つの重要な要素、すなわち「資金」と「人材」があるのですが、「人材(の質)」は計数化しにくいので、ここでは数値化しやすい「資金」の問題に集中することにします。
●少ないコストで多くの利益」と「目に見えない未来への投資」
経営者やビジネスマンにとって重要な会計戦略はそれほど多くはありません。まず、「少ないコストで多くの利益を上げる」ことです。この判断のために財務データを読み解くことは、それほど難しくないでしょう(スペースの関係でここでは詳述できませんので、拙著、「企業情報を読み解け! バフェット流・日本株必勝法=永久保有銘柄を見抜く18のポイント)」(日本実業出版社)などをご参照ください)。
今日の利益を稼いで企業・事業を存続させることは重要な課題です。今日会社や事業が崩壊してしまっては、明日の会社や事業もありません・・・
<続く>
続きは、産業新潮
http://homepage2.nifty.com/sancho/
2月号をご参照ください。
(大原浩)
【大原浩の書籍】
★『投資の神様』(バフェット流投資で、勝ち組投資家になる)<総合法令>
★日本株で成功する バフェット流投資術 (日本実業出版社)
★企業情報を読み解け! バフェット流<日本株>必勝法=永久保有銘柄を見抜く18のポイント(日本実業出版社)
★『勝ち組投資家は5年単位でマネーを動かす』(PHP研究所)
★「バフェットからの手紙」に学ぶ(2014)大原浩著 昇龍社<Kindle版>
★「バフェットからの手紙」に学ぶ(2013)大原浩著 昇龍社<Kindle版>
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★GINZAX30社! 大原浩著 昇龍社<Kindle版>
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GINZAXグローバル経済・投資研究会・代表大原浩著
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)