今週(2月8~12日)の株式相場は、前週に続き大荒れとなり、週間で1866円98銭、率にして11.1%の大幅な下落となりました。

 週間の下落率としては、リーマンショック時の08年10月20~24日の12%に次ぐ大きさでした。


 世界的にリスク回避の動きが広がり、長期的な投資家は様子見を決め込むなか、短期的な投機筋が跳梁跋扈する図式といえます。ドル・円相場も一気に1ドル=110円台まで急伸するなど、ファンダメンタルズからおよそかけ離れた動きとなりました。


 もっとも、企業業績も減速傾向にあり、フェアバリューが見えないなか、当面株式相場は乱高下を繰り返し、着地どころを模索する動きが続くものと思います。


 相場が振幅の大きな動きとなった主な要因は、
1)人民元の切り下げ懸念など中国経済への不安
2)原油市況の急落に伴う産油国経済および資源関連企業の経営に対する不安
3)米国景気の減速懸念
4)欧州債務問題、金融不安の再燃
など、懸念材料が目白押しの海外情勢です。

 欧州の金融機関の経営の脆弱性はこれまでも囁かれてきましたが、ドイツ銀行の経営不安説など、ついにここまで叩かれ始めました。


 円高が急伸するなかでは、国内企業の業績見通しには不安がつきまとい、予想PERでの評価は難しくなりますが、実績PBRでみた場合、日経平均で1万4000円台は、さすがに割安感が強まります。

 さらに下落する局面では、中長期的な観点で買いの好機ではないでしょうか。


(水島寒月)


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