「暮らしとカルチャー」にまつわることを日々探求しているROOMIE編集部員たち。

2016年もたくさんのモノ、味、そしてカルチャーと出会い、気に入ったものを購入してきた。そんな中から、これが今年のナンバーワンだ! と自信を持って紹介できるものを、テーマで区切り、4回にわたってお送りする。

Part 3のテーマは「娯楽」。ではさっそく紹介に移っていこう!

古川麦/Seven Colors(7インチレコード) 優河/Tabiji by 岸田

この秋、大好きなふたりのミュージシャンの台湾ツアーにプロのオーディエンスとして参加。台南の土砂降りの音楽フェスで、台中のカフェバーで、台北の月見ル君想フで、ふたりの『Tonight You Belong To Me』や『夜来香』をなんどもなんども聴けたのは何事にも代えがたい思い出。いまでも音源を聴くと台湾の夜市や爆竹の音を思い出す。

映画『君の名は。』 by 緑川

いろいろと話題になった作品のひとつだが、2度観に行って2度泣いた。その感動をもらっただけでもよき作品である。ぜひ映画館で観たい作品だと思った。

映画『インヒアレント・ヴァイス』 by 岸田

夏に目黒シネマでやっていた『JUNUN』『インヒアレント・ヴァイス』のPTA二本立て。たまたまわたしたちが観た回の前に時間に『JUNUN』に出演するレディオヘッドのジョニーが来館していたけど、わたしたちは彼を誰かわからずにヘラヘラしていた。ジョニーは目黒シネマに「ツヨニー」とサインを残し権之助坂をファンに囲まれて下っていったが、そんな鑑賞前のエピソードを凌駕する「インヒアレント・ヴァイス」の良さ。ジョアンナ・ニューサムの気だるげに逸脱するストーリーテリングが最高。

デンマーク国立海洋博物館 設計:BIG by 緑川

建築巡りが好きで、今年デンマークに旅行に行った際に訪れた博物館。設計はデンマークに拠点を置くビャルケ・インゲルス・グループ(通称BIG)で、波止場に挿入されたダイナミックな空間が本当にかっこいい。展示計画も他に見たことがないアグレッシブさで、キュレーターの力量を感じた。

遠読――〈世界文学システム〉への挑戦』 by 武田

メディアとことばに関わる人間としては、考えさせられることが多い1年になった。一連のキュレーションメディアを巡る問題と報道から個人的に得られたのは、作り手と向き合い質量の高いコンテンツをつくれる・つくりたいと思う人間ほど、それを広く適切に届けるための技術を意識的に行使すべきというものだ。

比較文学者であるモレッティによる本著は、ネットワーク化する社会において、ごく一部の名作をベースに文学史を解釈する手法では、もはや全体性を獲得し得ないという問題提起からまとめられたもの。コンピューターを使いビッグデータを解析することで、文学史を理論的に再解釈する彼の「遠読」と翻訳された手法があぶり出すものとはいったい何なのだろう、と思いながら読み進めている。「野心的になればなるほど距離は遠くなくてはならない」というフレーズが、近い将来のWeb上におけるメディアとことばの関係を考える上でも重要に思えてならない。瞬時に1つのコンテンツの持つパワーが数値化される環境だからこそ、いつも一歩先の理想的な像をイメージし続けていたい。

Into the Wild』 by レオ

アメリカに旅行した際にふらっと立ち寄った本屋の、セカンドハンドコーナーに埋もれていた1冊。映画は大好きだが原書を読んだことはなかったので、「これは旅のお供にピッタリだ!」と思い、10USドルで購入。アンテロープキャニオンに向かう旅路の高揚感を、何倍にも膨らませてくれた。ご覧の通りけっこうボロいのだが、それも作品の内容と妙にマッチしていて良い感じだ。

龍が如く6 命の詩』 by 武田

もともと海外のスタジオ力が全面に発揮された、GTAをはじめとしたオープンワールド系のゲームが好きだった。ただ広大なマップと、膨大なサブクエストを楽しみ尽くす時間はなかなかとれなくなってきている。

そんなぼくにも「龍が如く」シリーズは優しい。メインのクエストの流れに応じてマップは制限され、その枠組の中でシナリオをベースにそれぞれの楽しみ方を深められる構造がなんとも日本的。シリーズ最終作となる本作は、藤原竜也、宮迫博之、大森南朋、そしてビートたけしとこれまで以上にキャスティングにも力が入っている。シリーズに踏襲されたギャグセンスもそのままでほっこり。いつまでも主人公・桐生一馬に憧れることのできる自分でいたい……と思いながら少しずつプレイ中。

以上、ROOMIE編集部員が選んだ2016年買ってよかったシリーズ娯楽編。音楽から映画、書籍にゲームまで、幅広いラインナップとなった。気になったものがある方は、この年末年始にぜひお試しあれ!

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