小説よりも気軽で、映画ほど疲れない。それでいて、人生に影響を与えるような価値観に出会えるのがマンガです。

そこでマンガを軸に事業を展開したり、本を出されてたりしている山内康裕さんに、月に2回、オトナも楽しめるマンガを伺っていきます。

山内康裕
マンガナイト/レインボーバード合同会社代表。“マンガ”を軸に施設・展示・イベント等のプランニング業務を提供。共著書に「『ONE PIECE』に学ぶ最強ビジネスチームの作り方(集英社)」「人生と勉強に効く学べるマンガ100冊(文藝春秋)」等

初回のテーマは、「新生活で行き詰まった時に読みたいマンガ」。

オススメは、ヨコイエミ著、『カフェでカフィを』です。

ーーざっくりと「あらすじ」を教えてください。


カフェにまつわる短編集ですね。

登場人物がカフェに行った時に生まれる、いつもと違った日常や、地元の人同士のちょっとした交流、コミュニティについての物語です。

ーーこのマンガの魅力とはなんでしょうか?


「カフェとはなにか?」を考える機会をくれるところですね。

ちょっと立ち止まって一息いれたい、いろいろなことを考え直したり、他の人の話を聞きたい、そんな時ってあるじゃないですか。

そういう「閉塞感」がある時に、カフェというのはプラスになる場所だよ、というのを教えてくれるんです。

例えば、これから新生活が始まる中で、新しい街に引っ越して、知らない人だらけの中で生きると、夜に不安になってきたりしますよね。

そういう悩みがちな時、家にいるのではなく、カフェに行く。

そうすることで、自分と同じように人がそこで生活していることを再確認できる。人の感触に、どこか安心できる。

だから、新しい街に引越したり、新しい土地で仕事をすることになった時には、その街のカフェにいくことで、その街の空気感を知れて安心できることがある。

そうやって最初に「君はここにいていいんだよ」と、自分を受け入れてくれる場所がカフェだと教えてくれるんです。

ーーカフェ自体の魅力についても教えてくれるんでしょうか?


ええ。人が缶コーヒーをもって集まれば、そこはもうカフェなのではないか、という視点を提示してくれるんです。

例えば、いつも一緒にいる家族と、あえていつもと違う場所で、お弁当でも持ってコーヒーを飲んでみる。

そうすると、普段とは流れる空気が変わって、お互いの関係を違った角度から見ることができる。

たとえば、いつもは話さないことについて話ができるから、相手の新しい魅力に気づけて、関係を見つめ直したりできる。

そんな状況になるなら、その場はもはやカフェなのではないか、と。

例えば、「家カフェ」も同じ概念なのではないかな、と思いますね。

ーーこのマンガでちょっとしたコーヒーの勉強はできますか?


できます。

例えば自宅のコーヒーメーカーでおいしいドリップコーヒーを淹れる方法がでてきたり、豆の紹介があったりしますよ。

カフェにも行きたくなりますが、コーヒーを自分で淹れたくもなります。

試し読みはこちらから

カフェ以外でも、落ち着いた時間を持つことで相手の新しい魅力に気づけるというお話、よく分かります。

「本当はこうして欲しい」「実はこんなところが好き」とかって、普段の会話のペースではなかなかできませんもんね。

さて、『カフェでカフィを』の試し読みはこちらから可能です。

1話読めるので、魅力の片鱗がきちんと伝わりますよ。

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