日によって変化して機嫌もちがうし、うまくいく“正解”なんてない。そんなことを教えてくれたのが、大のコーヒー好きで、月に一度のカフェ「SACHIOPIA COFFEE」も開いている芸人・コーヒールンバ平岡佐智男さん。
家でコーヒーを楽しみたいけれど、豆も器具も多すぎてハードルが高く感じてしまうコーヒー初心者に向けて、コーヒーにまつわるアレコレをうかがう企画をスタートします!
初回のテーマは「コーヒー初心者が、家でまず試すべきこと」。
コーヒールンバ平岡佐智男さん
1982年、香川県生まれ。タリーズコーヒーでは3店舗で店長を務めたことも。特技は後味に甘い余韻が残るおいしいコーヒーを淹れること、人をコーヒー豆に例えること。趣味はコーヒーショップ巡り、コーヒーショップ経営。
Instagram :hiraokaschio twitter : @sachiohiraoka
「コーヒーの味に正解を求めない」のが正解
「まず形から入りましょう。味は後。味の正解を求めると、キリがありません。
どういうシーンで飲みたいかを考えて、憧れを表現することが大事です! 彼女や家族など誰に淹れたいのか、どんなテーブルセットをしたいのか……。その妄想の時間で、コーヒーが好きになります」
「コーヒーをはじめたいな、コーヒー屋さんで働きたいな、と思う人のほとんどは、『なんかいい感じになりたい』『モテたい』『カフェの常連さんと恋に落ちるはずだ』と思っていますからね。僕もそうでした(笑)」
例えばテーブルセットにこだわってみる
「僕は布フェチです。
この松竹芸能の『新宿角座』の劇場で、コント汚れがヒドイ台でコーヒーを飲むとする。どう飲んだらおいしいでしょうか?」
「そこで、最近買ったイランのサラサを一枚かましてみます……これだけでかわいい!」
「カップはどれにする? サラサに合わせて、ソーサーはやめてコースターを使うか? このセッティングが楽しいのです。
BGMは、僕はiPhoneにギターの小さな練習用アンプ(1万円以下で購入したもの)をつけて、昔のラジオのような音質に変えて流したりします」
「『いいカフェだなあ』と感じる店って、空間や器、音楽にも気を遣っていますよね。その要素だけで、コーヒーがおいしく感じるはずです。
『こうでないといけない』という頑固オヤジのイメージではなく、自分なりの表現があっていいんですよ」
コーヒーとお近づきになるために、やってみると楽しいこと
「コーヒーと食べものを合わせる『ペアリング』、これは合いそうだなってときは自宅でもやりますね。
あと、カフェ巡りも。テーブルセットや空間の表現方法が参考になりますよ。
この間、広尾のネムコーヒー&エスプレッソに伺ったんですけど、インドネシアの家具の合わせ方がうまくて! 天井から植物がつり下げられていたりして、すてきでした」
「僕はかなりカフェに行きますが、よく行く好きなところは、幡ヶ谷のパドラーズコーヒーや、下北沢のトロワ・シャンブルです」
初心者にもやさしいインスタントコーヒー。おいしく飲むには?
マグカップにカポッとかぶせるインスタントコーヒーの場合「はじめにちょっとお湯を入れて置いて蒸らす……というのはやった方がいいですね。
その後、お湯は少量ずつ入れましょう。パッケージに記載されている粉の目安って、だいたい少なめに設定されているので、規定量のお湯よりちょっと少なめに。
味をしっかり出したい人は、最終的にインスタントコーヒーにお湯が浸かっちゃってもいいです。しっかり濃くなる気がして、僕もやっています」
「また、砂糖やミルクを入れて味の変化を楽しむのもオススメ! 砂糖を入れてひとくち飲むと、味が際立ち、コーヒーのフルーティさの輪郭がはっきりするんです。
溶けやすさを考慮して、必ず砂糖→ミルクの順で入れてくださいね」
粉を溶かすタイプのインスタントコーヒーの場合テイスティングする平岡さん
深煎りのものが多いので、粉をリッチに多めに入れましょう。ちょっとのお湯で溶かしたら、あとはジャーッとお湯を入れちゃってOKです。
「この間僕の実家で、粉のインスタントコーヒーを何杯も飲んだんです。香川県で平岡精肉店を営んでて、コロッケが有名で、おかげさまで行列もできる店なんですけど、手伝ってる間本当に忙しくて。
粉のインスタントコーヒーを飲んだら『ぜんぜんおいしいな!』と思って! なにより手軽だし、それが自分の生活に適してる場合もありますよね」
コーヒールンバ平岡佐智男さん(@hiraokaschio)がシェアした投稿 – 2月 18, 2018 at 5:51午前 PST
「コーヒーって本当に、人それぞれの楽しみ方があるんです!」
Photographed by Kayoko Yamamoto