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芸人ヒロシさんが「10年後も手放さないモノ」
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芸人ヒロシさんが「10年後も手放さないモノ」

2018-08-30 11:00
    10年という月日が経つと、いま住んでいる部屋も、立場や環境も大きく変わってきます。ただ、たとえ環境が変わっても「これだけはずっと持っていたい」というモノが、ひとつはある……。

    そこで、さまざまなジャンルで活躍する方々に「10年後も手放さない」思い入れのあるモノを、31×34.5cmという限りのある『ROOMIE BOX』の中に詰め込んでもらいました。

    なぜ、「10年後も持っている」と考えるのか―――。大切に持ち続けるモノについて語る姿から、その人の暮らしが徐々に見えてきます。

    芸人 ヒロシ

    1972年生まれ。熊本県荒尾市出身。ヒロシ・コーポレーション所属。「笑いの金メダル」でのテレビ番組への出演をきっかけに、おなじみ「ヒロシです。」のネタで時の人に。現在は、趣味のキャンプに没頭中。多くのキャンパーから支持を集めるYouTube動画「ヒロシちゃんねる」では、撮影から編集までを自身でこなしているのだとか。愛車はジムニーの幌車。
    http://hiroshi0214.com/

    10年後も手放さないモノ

    ネタをするとき“これがないと落ち着かない”高級腕時計

    この時計をいつ着けてるかっていうと、だいたいネタをやるときはいつも。「ヒロシです。」のときですよね。

    ネタ中にちらっと残り時間を確認するためのものなんですけど、なぜか、これがないと落ち着かない。心細いというか。

    単純に、時間をパッと確認しやすいんです。ネタ中にこっそり見なきゃいけないので、角度とか、フェイスのシンプルさとかがちょうどいいんでしょうね。

    でも、それだけってわけじゃなくて。いくつか別の時計を試してみたりもしたんですけど、どうしてもこれがしっくりくるんですよね。

    理由はわかんないんですけど。

    そもそもこの時計は、お笑いで売れかけていたときに、海外の免税店で買ったものです。

    なんとなく「ブルガリがあるな」って感じで覗いて、ひと目見て、「あ、これ買います」って即決でした。

    当時の僕にとっては、結構思い切った買い物だった。といっても、そのときのスタッフさんに現金で10万円借りて買ったんですけど。

    余談ですけど、僕、そのときクレジットカードを持っていなかったんですよ。借金とかしたことなかったんですけど、当時、どこのカード会社に申し込んでも審査を通らなかったんです。

    これは本当かどうかわかんないですけど、“ホワイトリスト”っていうのがあるらしいんですよね。「ずっとカードを作ってないと、それはそれで、逆に怪しい!」みたいな。あまりにも白すぎて。

    まぁどこまで本当かわかんないですけど、実際どこに申し込んでも作ってもらえなかった。それなりに収入はありましたからね、だから、あの噂は本当なのかなって。

    とにかく、そのときに買ってからかれこれ15、6年は着けてる。だから、すでに余裕で10年越えてるんですよね。

    これから先も10年くらいはお笑いをやると思うから、辞めるまでは、おそらく使い続けるんじゃないかな。

    学生時代に憧れたパンクのアイコン、<Dr. Martens>のブーツ

    僕、昔からパンクロックが好きだったんです。なかでも<THE STAR CLUB>っていうバンドが好きで。女の人にモテるタイプのパンクは、あんまり好きじゃない。

    で、パンクって言ったら、やっぱりマーチンじゃないですか。

    学生時代にはお金がなかったんで、マーチンなんか買えない。だから、代わりに土木作業用の安全靴を履いていました。爪先に鉄板が入ったやつ。バンド好きの学生はみんなそれ履いてましたね。

    それもそれで、まさにパンクっぽいじゃないですか。

    それからマーチンを買えるようになって、もう何足目かのブーツです。

    これももう10年くらいは履いてるかな。海外とか、結構いろんなところに履いていきました。

    かなりいい感じに仕上がってるんじゃないかなって、個人的には思ってるんですけど……。

    こういう革靴って、新品は気持ち悪いんです。

    「昨日買ってきました」って感じがして。どんどん味が出るほどいい。

    本当はね、これをずーっと履き続けたいんです。同じ型を、ってことじゃなく、いま持ってる、これを。

    でも、残念ながらソールの張り替えができないので、いつかはダメになってしまう。だから、実はいま予備を育ててる最中なんです。

    並行して育てていかないと、これがダメになったときにド新品を履くことになっちゃうので。

    昔はカッコつけて夏でもブーツ履いて、ビチビチの細いズボンを合わせたりしてました。

    でも、いまはほら、今日も半ズボンにサンダル履いて。「ラクなもの」を選ぶようになりましたよ。

    46歳にもなると、もう無理ですね……。カッコつけるのって、疲れるんですよ。

    昔は無理してでもやってたけど、そこまでやったって、何があるわけでもないじゃないですか。

    お笑い芸人 ヒロシさんの10年後

    信じられないけど、10年後は60歳手前ですよ……。ゾッとしますね。

    いま、ソロキャンプを本格的にやっていて、それをYouTubeで配信したりもしてるんですが、できればそうやって、好きなことで生計を立てていきたいですね。

    ブランドを立ち上げるのか、キャンプ場を経営するのか、わかんないですけど。もう、「ヒロシです。」って言うのも疲れるんですよ……!

    これ自分で言いますけどね、あのワンフレーズだけでバチッと笑い取らなきゃいけないんですよ? ツッコミ無しで! こんな高度な技術ありますか⁉︎︎

    できれば年取ってまではやりたくないけど、でもまぁ、やってるでしょうね。点滴打ちながらでもできるじゃないですか。

    ベッドに寝たまま誰かにガラガラ押してもらったってできるじゃないですか。そういうので、より面白くなっていくネタなので。

    でも、嫌なことはやりたくないですよね。思いません?

    たとえば中学生の頃に、グレるひととかいるじゃないですか。僕らの頃なんか、正直グレてた方がモテた時代なんで。単車乗って暴走族とか楽しそうですよね。でもね、僕は我慢して勉強して、大学まで出ましたよ。「ちゃんと勉強してあいつらに勝つんだ」って。

    でも後になって、同級生伝いに「あいつ社長になって、えらい金持ちになってるらしいよ」とかって聞くと、俺の努力は何だったんだ!って。非行に走ってた方が断然トクだったじゃん! って……。わかります(笑)?

    悔しくてね、それが。それを取り返すために、僕にはお笑いしかなかったんですよ。巻き返すには、何か突拍子もないことをやるしかなかった。

    結局は、やっぱり好きなことを全力でやった方がいいんです。だからこれから先は、やりたくないことを無理に続けるようなことはしません!

    ……結構いい話にまとまったんじゃないですか(笑)? 自分でしゃべりながら思いましたけど。どうでしょう(笑)?

    「10年後も手放さないモノ」バックナンバー


    BEAMSバイヤー鈴木修司さんが「10年後も手放さないモノ」 - ROOMIE(ルーミー)

    グラフィックデザイナー金田遼平さんが「10年後も手放さないモノ」 - ROOMIE(ルーミー)

    イラストレーターたかくらかずきさんが「10年後も手放さないモノ」 - ROOMIE(ルーミー)

    落語家立川吉笑さんが「10年後も手放さないモノ」 - ROOMIE(ルーミー)

    Photographed by Yutaro Yamaguchi

    RSSブログ情報:https://www.roomie.jp/2018/08/449753/
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