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着物と住まいの歴史を引きつぐ、築96年の町家ぐらし(京都市下京区)|みんなの部屋
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着物と住まいの歴史を引きつぐ、築96年の町家ぐらし(京都市下京区)|みんなの部屋

2018-11-05 11:00
    人気連載「みんなの部屋」vol.127。部屋づくりのアイディア、お気に入りの家具やアイテムなどの紹介を通して、リアルでさまざまな「暮らしの在り方」にフォーカスします。

    京都駅からバスで10分ほどの下京区エリア。

    駅周辺のにぎやかさから少し離れた、落ち着いた住宅街に佇む町家で暮らしているのが、

    きものシェアクローゼット&サロン・水端を運営する、ゆっけこと太田由恵さんです。

    きものを着ることが減っている若者に、気軽にきものを着る機会を提供するために、

    きものの販売や着付け、相談、イベントまで行うゆっけさんの店舗兼住居にうかがってみました。

    名前:ゆっけ(太田由恵)さん
    職業:きものシェアクローゼット&サロン・水端(mizhana) 店主
    場所:京都市下京区
    面積:45.6㎡ 5K
    家賃:9.8万円
    築年数:築96年 一戸建て

    お気に入りの場所

    家の中でいちばん明るいキッチン

    「もともとどこに住んでいても、キッチンにいる時間がいちばん長くて。

    料理好きなこともありますが
、コーヒーを淹れながら、キッチンでデスクワークまで行うことが多いんです」

    と、ここで私にもコーヒーを一杯淹れてくれました。

    天窓があるおかげで、日中は家中で最も明るい場所なのだそう。

    「仕切りを外せば、入り口から連続した空間なので、お客さんが入ってくるまでキッチンにいることも多いですね。

    心を落ち着かせるのに、私にとってとても大切な場所です」

    アンティークのミシンテーブルを置いた作業スペース

    キッチンに隣接しているのが、アンティークのミシンテーブルを置いたデスクワークスペース。

    大きさも使い心地もぴったりで、イベントの準備はここで行っているそうです。

    この部屋に決めた理由

    アクセスのしやすい町家であること

    住居と店舗を同時に探していた中で、探しまわってもなかなか“町家のテナント”が見つけられず、

    諦めかけていたときにふと出てきたのが、この物件でした。

    「アクセスのしやすい大宮か二条で探していたので、場所も理想的でした。

    それまで住んでいた住居が更新のタイミングだったのもあり、ここでお店もできないか大家さんに確認したところ……

    快諾いただいて、決定したんです」

    町家が取りこわしなどで減っている中、こうして出てくる物件は本当に少ないそうです。

    見つけたとしても、今回のように大家さんの理解が必要なんですね。

    広くて使いやすいキッチンに魅せられて

    「お気に入りの場所であるキッチンは、まさにひとめぼれでした」

    「キッチンの端には、昔使われていたおくどさん(かまど)があります。

    今では使えないんですが、こういうものがあるというのが、とてもよかったんですよね」

    残念なところ

    冷房の効きが悪い…

    「冬はあたたかいのですが、夏は逆に熱がこもってしまうんです。

    建物の構造上、玄関側に室外機の設置はできず……。

    部屋の奥に冷房を設置して、サーキュレーターを回しているのですが、お客さんのことを思うと、もう少しすずしいといいなと思ったりしますね」

    部屋の掃除をこまめにする必要がある

    スキマ風と一緒にチリやホコリも入って来ることが多いので、こまめな掃除が必要なのだそう。

    「天窓がお気に入りのキッチンですが、同時に砂ボコりが入ってきたりもして……。

    前に住んでいた家も町家だったので、慣れてはいるんですが、この点は手間がかかってしまいますね」

    お気に入りのアイテム

    使いやすいように設計した食器棚

    料理好きだからこそ、使いやすいキッチンが理想です。

    オープンな食器棚は、ホームセンター・コーナンで購入した木材で、友人につくってもらったもの。

    「家の雰囲気に合うよう、アンティーク調にしたくて。

    金具部分だけオイルを塗ってもらいました」

    確かに、下からのぞいてもいい感じ!

    憧れの町家からゆずり受けたガラス戸の棚

    「憧れの町家のレンタルスペースが改装する際に、譲っていただいた棚なんですが……

    使い込まれた見た目が、とっても好きなんです」

    暮らしのアイデア

    骨董市にたくさん足を運び、気に入ったものだけを集める

    骨董市によく足を運ぶというゆっけさん。

    いろいろな商品を見ながら、直感的に“めっちゃええやん!”と感じたものだけを集めているそうです。

    「玄関には、火鉢を使った傘立てを置いています。

    すごく変わった品ではないんですけど、自分の好きな風合いを大切にしたいと思っています」

    植物は多く、でも色合いは少なく

    「買ったり、もらったりした花をドライフラワーにするようにしています。

    部屋に自然が多いと落ち着くので。

    ただ、きものの色合いをジャマにしないように“色合いは少なく”を意識していますね」

    これからの暮らし

    人が集まる場所にしていきたい

    「みんなで食卓を囲むのが好き」というゆっけさん、

    お店を閉めたあとに仲間やお客さんたちと、ここで食事会ができたらいいなと思っているそう。

    「そういうのは、職住一体だからできると思うんです。

    確かに店先で飲み食いするのはどうかという見方もありますが……場所があるなら活かしたいなと。

    もちろんそういうときは、商品は別の場所に移動させますしね」

    ゆっけさんがきものや町家を受け継ぐように、誰かと誰かの関わり合いの中で、京都という歴史ある町はもっとすてきになっていくんだな、と感じました。

    これから、ここでどんな出会いが生まれていくのかが、いまから楽しみです。

    Photographed by Tsubottlee

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