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森のなかの、DIYし放題な一軒家。不便と充実のまんなかがココ(西東京市)|みんなの部屋
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森のなかの、DIYし放題な一軒家。不便と充実のまんなかがココ(西東京市)|みんなの部屋

2018-11-30 11:00
    人気連載「みんなの部屋」vol.130。部屋づくりのアイディア、お気に入りの家具やアイテムなどの紹介を通して、リアルでさまざまな「暮らしの在り方」にフォーカスします。

    大きな公園の目の前。

    4面採光の窓はどこをのぞいても、まるで森のような自然が広がっています。

    ROOMIE編集部きってのDIY好き・緑川が、

    内見をする前から「きっとこの家だ!」とワクワクを抑えきれずに選んだ家は、こんな感じです。

    名前:緑川彩 タケ
    職業:編集者(緑川)、家具職人(タケ)
    場所:東京都西東京市
    面積:62㎡ 2LDK 一軒家
    家賃:11,8000円
    築年数:築43年

    間取り図(クリックで拡大)

    お気に入りの場所

    大きなテーブルが占めるダイニング

    「平日はいつも時間がないから、ここで話す時間が貴重だよね」

    そう同居人のタケが言うとおり、早朝から工房に行く相手と、フレックスでリモートワークもOKな私では、生活時間帯がちがいます。

    ダイニングテーブルを、家具職人であるタケがつくると言ったとき、

    私が要望したのは「対面にも、90度にも座れる」こと。

    レストランのカウンター席は、相手との距離が近しい気がして好きなことと、

    大皿料理をおいても、相手の正面に座れるだけの広さ、

    そして友人を呼んだ際に大人数で座れること。

    それをすべて叶えるダイニングテーブルがよかったんです。

    “ふとんをベランダに干すために、窓側部分は細くしたい”などの諸条件もふまえて、このカタチになりました。

    「でも、思ったよりシュッとしすぎた気がする(笑)。

    今はTEKOLABOの鉄脚をつけているけれど、ゆくゆくはこれに木の脚をつけたい」とタケ。

    本棚で“こもり感”をつくったソファスペース

    「天井まである本棚がつくりたかった」と、タケのこだわりによってできた本棚。

    ポイントは“ソファに座るとこもり感がある”ことと、

    “安い材料で材料代を抑えつつ、手をかけて大きいのをつくった”ことだそうです。

    角材や棚板をふたつに割ってつくったので、材料費は7,000円くらい、とのこと。

    浮遊感をテーマに、床からも壁からも本棚が浮いているように見せています。

    本のほとんどが、タケの制作資料。

    私としては、持っている本の数を考えないでつくったので、すでにパンパンなのが気になるところですが……。

    オープン収納をDIYしたキッチン

    窯元めぐりが趣味の器好きなので、集めた器をすてきに飾れるところがほしかったんです。

    もともとついていた吊り戸棚が気に入らず、それをはずしてオープン収納にDIYしました。

    タケが担当した現場でもらってきた余り材料を使っているので、お安くできています。

    キッチンツール掛けは、給湯器のボタンを隠すためにつけました(隠れてないけど)。

    なんでも掛けられて、便利で重宝しています。

    キッチン横の飾り棚は、前の住人(今の大家さん)がDIYしたもの、なんですって。

    壁を青色に塗って、活用させてもらっています。

    1日がかりで塗装したおふろ

    わが家はおふろの空間に、トイレと洗面台が一緒にあります。

    おふろとトイレは別々がいい! 人も多いと思いますが、私はあまり気になりません。

    お客さんが来たときに、ちょっと気になるくらいでしょうか。

    木の板張りの空間。もともとは濃いめの木の色で、かなり山小屋感がありました。

    大容量の白色ペンキを買ってきて、100円ショップの黒色ペンキを混ぜて、グレーをつくって塗装。

    安くはできたけれど、塗装はふたりで丸一日かかって大変でした!

    トイレを濡らさないためにシャワーカーテンをつけたいのと、すてきなトイレットペーパーホルダーをつけたいのが、これからの課題。

    アパレルショップを参考にしたクロゼット

    わが家は基本的に個室がなく、ほぼワンルーム。

    唯一の2階の個室は、普通はおそらく寝室に使うのだと思うのですが、

    私の服がかなり多いので、クロゼットにしています。

    壁は左官仕上げをやってみたくて、ジョリパッドを買って、友人に一緒に作業してもらいました。

    アパレルショップを参考に、梁から角材を吊るして、ハンガー掛けに。

    高さが自由に調整できるし、服がたっぷり掛けられてお気に入りです。

    この部屋に決めた理由

    絶対に「DIYし放題の家」がよかった

    家探しの条件は「ふたりの職場の中間」「家賃が10万円以内」「DIYが自由にできる」こと。

    でも“DIY可能な家”って、本当に少なくて!

    家を探していた時期、毎日東京R不動産DIYPをチェックしていました。

    1階は土間。土足で入ります

    ROOMIEの「みんなの部屋」を立ち上げて思ったのは、

    暮らしかたは人ぞれぞれで、自分たちに合う既製の家って絶対にないし、暮らしはアップデートしていくもの、ということ。

    だからこそ、家をリノベしたり、賃貸でもなんとか自分のこだわりを発揮する人びとを、たくさん見てきました。

    自分たちで生活をつくりたいから“家に合わせて暮らす”のではなく、“家を暮らしに最適化”していきたかったんです。

    「若者を応援したいの!」という、すてきな大家さん

    春には、ベランダから手が届く場所にさくらんぼが実ります

    東京R不動産にこの家がアップされた日に、すぐ内見の申し込みをしました。

    大家さんの女性じきじきに家を見せていただいて、

    「春には家の目の前にさくらんぼが実るの」「若者を応援したいから、DIYは好きにどうぞ」「冬はそれはもう寒いのよ」なんてエピソードを聞いていたら、

    予算を上まわった家賃ではあったものの、もうここしかないと思い、即申し込み。

    壁や、木のままの色だった天井まですべて白色のペンキで塗って、

    小上がりの和室は、100円ショップで買ってきた塗料を合わせて水色で塗って。

    養生が甘かったので、ペンキがあちこちに飛び散っていますが……そんなざっくり感も愛着ポイントです。

    本当にすてきな大家さん&家に出会うことができました。

    残念なところ

    夏暑く、冬寒い

    大家さんの忠告どおり、夏の暑さと冬の寒さがスゴイです……。

    基本的にはクーラーなしで過ごしたいのですが、真夏の昼間は、とても家で仕事ができる状態じゃなかったです。

    もともとあった天井を剥がして現しにしているので、断熱がきちんとされてないのが原因のようです。

    虫が多くてツライ!

    自然がそばにある暮らしゆえの、仕方がない部分ですが……

    とにかく虫が多いのが、私はとても辛いです!

    冬は冬眠(?)のために虫が入ってくるし、ベランダにハクビシンも出るし。

    「僕は宮崎の田舎で山遊びして育ったから、ぜんぜん平気だけど」というタケに、退治はまかせています。

    お気に入りのアイテム

    陶器市で買った器

    九州の陶器市をまわって、器を集めています。

    飾るところもできて、器への熱が加速中。

    漬けたらっきょう

    三越伊勢丹のWebメディア・FOODIEを見て、挑戦したらっきょうづくり。

    お酒のおつまみにぴったりだし、つわり中の友人にもおすそ分けできました。

    オリジナルで黒糖を入れた甘いらっきょうが、特においしくできた気がしています。

    愛を注いでいるビカクシダたち(タケ)

    「なんとなくかっこいいな、部屋に飾りたいな、というのがきっかけだったんだけど……」

    と言いつつ、ハマりにハマっているビカクシダ(別名・コウモリラン)。

    また宅配便が届いたなと思ったら、だいたいビカクシダ関連アイテムです。

    「ほら、この伸びた小さい葉がかわいいでしょ!!」と力説

    「現場感が好きなんだよね。

    品種がいろいろあって、それぞれ育て方がちがって。

    日に当てるとそっちに伸びるから、仕上げたいカタチによって置く場所を変えたり……好きにデザインできて、盆栽みたいな感じ」

    ウォールナットの包丁立て(タケ)

    会社の月イチ作品発表会のために、タケがつくった包丁立て。

    「お客さんが使いやすいようにしたいから、まずは自分で使い心地を試してみたい」とのこと。

    キッチンの戸棚のなかに包丁を入れる場所があるので、いらないのではとも思っていたのですが……

    節が入っているザックリ感がいい感じです。

    たまにふりかえる「やさびしいカルタ」(緑川)

    私のお気に入りは、友人がつくって鬼子母神の手創り市などで出している「やさびしいカルタ」。

    短い言葉を聞いて、そのイメージに合うと思ったフィルム写真を1枚選ぶ……というものです。

    勝ち負けはなくて、ただ“人が感じることのちがい”が浮き彫りになるのですが、

    一緒に写真を選ぶ人の新たな面を、いつでも改めて知れるツールだと思っています。

    ジュエリーが収まりきらないジュエリーボックス(緑川)

    誕生日プレゼントとして、タケにつくってもらったジュエリーボックス。

    木目が全周ぐるりとつながっているのがポイント、とのこと。

    ジュエリーが好きであまりにたくさん持っているので、

    ここには到底、収まりきりませんでした(笑)。

    暮らしのアイデア

    なんでも、塗るといい感じになる

    「とにかく白く塗ればなんとかなる」とタケが豪語するとおり、

    既製品も市販のマットなラッカースプレーで塗るだけで、いい感じになるんです。


    照明は黒のスプレーで塗装

    シーリングファン、エアコン、配電盤、もとからついてた照明……。

    塗っても、リモコンのセンサーは意外と通りますよ。

    階段の手すりをアレンジ

    もともと、子どもの転落防止として、高めの柵が階段についていました。

    これを低くしたら開放感や天井の高さが感じられる! というタケの主張を受けて、40cmほど低く。

    柵も間引いたので、小さな子が遊びに来たら危ない状態に(笑)。

    カメラマンにシュール(笑)と言われた

    和室側にはテーブルをつくりつけたので、

    スタンディングデスクが好きな私は、よくここで仕事をしたりします。

    これからの暮らし

    今は1階をまったく活用できていないですが、ゆくゆくはワークスペースにしたいです。

    ここでお店やワークショップを開くことも考えてはいますが、それはだいぶ先になりそうな予感……。

    撮影中に壁に穴を開けだす人

    思いついたら即DIYできるのと、自然が近いのが、やはりこの家のよさ。

    自分たちに最適な家具を、最適な価格で見つけるのって大変ですが、

    DIYし放題の家なら工夫次第でかかるお金はグンと下がるし、四季が感じられるのもいいな〜と思っています。

    もちろんそのぶん労力はかかるし、週末をまるまる使うこともあるし、広いぶん都心からちょっと遠いし……。

    私も本当は、DIYが好きなのではなく、“自分らしい家で暮らしたい!”思いが強いだけ、という感じです。

    それにしても、賃貸も購入も、新築もリノベも、暮らしって本当にさまざまな選択肢がありますね。

    「みんなの部屋」をはじめとした“人の暮らしをのぞき見られる”機会があることで、

    多くの人が自分に合った暮らしってなんだろう? と、少しでも考えるきっかけになったら嬉しいです。

    Photographed by Kenya chiba

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