うちの近所では、トイレットペーパーやティッシュは店頭に並ぶようになりました。

でも、マスクはどこのドラッグストアも「完売」「入荷未定」の貼り紙が目立ちます。

そこで、手に入らないなら……と、布マスクを手作りしてみました。

HKマスクってどんなマスク?

せっかく手間をかけて作るからには、少しでも本格的なのがいいなと思いまして。

いろいろ調べて、ネット上で発見したのが「HKマスク(通称:香港マスク)」と呼ばれるモノ。

Mask Design Challenge 2020」の審査員もつとめる、香港中文大学元講師の鄺士山(クウォン・シーサン)博士が発案し、あらゆる分野の賛同者たちの協力により完成したマスクなのだとか。

どうやら二重構造になっていて、その間にティッシュペーパーやキッチンペーパーなどをフィルターとして挟みこむスタイルのようです。

サイトだったり動画だったりと、いくつかの方法で作り方を見ることができますよ。

誰でも作れるの?

左がライナー用、右が表布用。間違えないように、ラインマーカー引いてます。

手芸の腕前に左右されず、説明どおりにすれば誰にでも作れます。というのも、型紙はネット上で公開されているんです。

PDFとjpegの画像で、家庭用プリンターでA4サイズで印刷可能。

型紙は5サイズ展開で、成人男性、成人女性、ティーン、子ども、赤ちゃん用がそろっています。

市販のものにはあまりない、お子さんや赤ちゃん向けもあるのがうれしいところ。

ただ、こうした型紙の準備や、作り方に手順が必要とはいえ、あくまで「布マスク」ですので、外からのウィルスをシャットダウンするというよりは、飛沫防止を心がけるためと思いながら作っていきましょう。

型紙は中国語(繁体字)と英語表記ですので、ここからの作り方で内容を補足しますね。

まずは材料を準備します

マスクひとつにつき、必要なものは以下のとおり。

【成人女性用 Mサイズの場合】
・型紙 M 
 (2枚あると便利です。後ほど説明します)   
・表布 縦18cm×横30cm
(お好みの綿の布、ハンカチ、手ぬぐいなども可)
・ライナー用布 縦17cm×横30cm
(ガーゼなど)
・耳掛け用ゴム 18cm×2本
・固定用ヒモ  120cm×1本
・鼻部分用ワイヤー 10cm×1本

※作りやすいように型紙に書かれているものから、少し変えてます。

布は新品の場合、一度水につけて、乾かしておきます。

このとき、型紙は印刷しておきましょう。

耳掛け用のゴムは売り切れで手に入らなかったので、ストッキングを輪切りにしたもので代用。

固定用ヒモも、綿テープが売り切れだったので、100均一の靴ヒモを利用しました。

ワイヤーはパンなどの袋の口をしばってあるビニタイを使っています。

下準備をしましょう

型紙は縫い代つきです。

外側の実線が切り取り線、それと平行の細い実線ができあがり線。内側の太い点線がライナー、つまり内側に来る布の切り取り線。

細い点線は縫い目です。

表布用とライナー用の型紙を別々に用意したほうがやりやすいし、ミス防止にもなります。ライナー用の型紙は右上部分を太い点線で切り抜きます。

また、縫い代の内側のできあがり線の角の部分に、切り込みを入れておくと便利。

型紙の右端の大きい矢印は布目線なので、布の縦方向に合わせていきます。

布は2枚重ねにして型紙を置き、チャコマーカーなどで輪郭を取ります。

表布は、中表(布の表側=表面になる方同士を合わせて重ねる)にしましょう。

これを間違うと、あとで悲惨なことに……!

仕上がり線用の切込み部分にも、チャコマーカーなどで印をつけておきます。

型紙を取り除き、仕上がり線を結び、

それぞれの布を、型紙を外側の線で切り抜きます。

いよいよ縫いますよ~

まず、表布、ライナー共に、中心線を縫います。型紙でいうと、右側のカーブ部分ですね。

縫い終わったら開いて、上下のフチを縫います。

このとき、表布には上辺の中心にワイヤーをはさみこむのを忘れずに!

慣れない方は、中心線を縫ったあと、縫い代を開いてアイロンをかけておくとやりやすいですよ。

さて、次は表布とライナーを合体させましょう。

中表に合わせます。つまり、縫い代が見えていない方同士を重ねるということ。

縫う側は縫い代が見えていますね。

耳ゴムをはさみ込みながら、脇の線を縫います。

反対側も同様に、ぐるりとひっくり返して、外表に。

ここまでくると、ほぼそれらしくなってきましたね。

端から約1cm(少し広めのほうが通すとき楽です)くらいのところを縫っていきます。

いよいよ仕上げです

あと、もうひと息!

上辺のワイヤーの両脇をちょっとだけ縫い止めます。

型紙にノッチと書いてある部分ですが、ワイヤーの長さに合わせましょう。

次に下辺の中心を止めます。

これは、中にはさんだティッシュなどが落ちないようにするためですね。

型紙にはミシンでステッチをかけるような印がありますが、ここは手縫いで縫い止めるだけでも問題ありません。

最後に固定用のヒモを上から下へ通して、反対側の下から上へ通します。

形としてはこれでできあがりですが、実は固定用のヒモを通す前に洗うという手順がありますよ(これで、チャコマーカーは消えます)。

使うときには、表布とライナーの間にティッシュペーパー(キッチンペーパーの方が推奨ですが、ここではテイッシュを使っています)をはさみます。

ケチらず2枚重ねが効果的とのこと。

女性用だと、二つ折りではちょっと大きいので切りますね。

ちょっとカッコ悪いけど、四隅をはみ出させるようにすればOKだそうです。

どうやってつけるの?

さて、おしまいに、装着方法をご説明。

まずは、固定用ヒモをかぶるように首にかけます。

こんな感じ。

マスク部分を通常どおり口元に当てて耳ゴムをかけます。

固定用ヒモの両端を持って、マスクがフィットするように引っ張ります。

耳の上から頭の後ろに回して、ヒモを結び……

最後に上辺のワイヤーを鼻にフィットするように調整します。

これで装着完了! このフィット感は、ちょっと感動ものですよ~。

ちなみに、固定用ヒモは使いまわしできそう。靴ヒモは、端が細く固く加工されているので通しやすいし、長さもピッタリ。洗浄もできるし、意外な使いみちが実は大ヒットでした~。

お気に入りの布で作れる「HKマスク」で、少しだけでも快適に、この大変な時期を乗り切っていきましょう。

鄺士山博士が公開している型紙データ[Facebook]

HK MASK template download and manual

HKマスクを詳しく知りたい方はコチラ↓
香港の化学博士が発案、高機能DIYマスク「HK Mask」とは[日経BP]

RSS情報:https://www.roomie.jp/2020/04/610651/